finding of a nation 134話
「……っ!、どうやらここが最下層みたいね。ハンマンさん達のところから5階も下に下りて来たしやっぱり探索には相当な時間が掛かりそうだわ。上手くこの階のどこかにあいつを攻略する糸口となる何かがあればいいんだけど……」
「そういう重大なものは大抵その場所の一番奥深くに配置されているものだからきっとこの最下層の階で見つかるはずです、ロザヴィさん。それにここは先程までの階と違って正面に一本道の通路が続いています。きっとこの先に目的のものがあるはずですよ」
「そうね、ターシャさん。確かにこの先には重要度の高い何かがありそうだわ。まだそれがあいつを倒す為のものかは分からないけどとにかく先に進んでみましょう」
「ええ」
ナミ達が水属性の魔法攻撃を付与されたサメのモンスター達の相手をしなければならなくなった頃、ハンマン達と別れたロザヴィとターシャは遺跡の跡地内部の最下層にまで来ていた。上の階から探索を進めるハンマン達に対しロザヴィ達はこの最下層から反対に上へと上りながら探索を行っていくつもりだったのだが、今ターシャの言っていた通りこの最下層はこれまで下って来た階のフロアとは変わった造りとなっており明らかに何か重要となるものがありそうな雰囲気だった。これまでの経験で直感的にそう感じ取った二人は目的の物を見つけるべく急いでその先へと進んで行ったのだったが、まさにその通りだったようで間もなく正面に何やら物々しげな巨大な扉がたった一つあるのが目に入って来た。そして勢いのままにその二人がその扉を潜った先には……。
“バアァンッ!”
「……っ!、な、何……あいつは……」
“グオォォォォッ……”
二人が扉を打ち破って中に入るとその入り口から正面の20メートル程先に体長は3メートルにも届きそうな巨大なサメの魚人のモンスターが威圧的な視線で真っ直ぐこちらを見据えて立ち塞がっていた。ロザヴィ達がここに来るまでに出会ったどのサメの魚人よりも巨大でその姿は人食いザメの中で最も恐ろしいとされている……。
「あ、あれってまさかホオジロザメの魚人モンスター……。ここに来るまでにも何体かサメの魚人に遭遇したけどそのどれよりも大きいわね……。只のホオジロザメなら何度か遭遇して難無く倒して来れたけど魚人になるとまた強さが違うのかしら……」
「分かりません……。でも敵対的な目でこちらを睨み付けていますがまだ襲って来ないようです。今の内に分析魔法であいつの情報を取得し……っ!。そんなことよりロザヴィさんっ!、ちょっとあいつの後ろの奥の壁を見て下さいっ!」
「壁……っ!、あ、あれは……」
いきなり目の前に現れたホオジロザメの魚人の姿に驚くロザヴィとターシャだったが、そのホオジロザメの魚人が立っている更に奥の壁に何かのレバーが設置されているのを発見した。ホオジロザメの魚人が正面で視線を遮っていた為ターシャに言われたロザヴィは少し横によって確認したのだが、恐らくはあれは自分達の目的を果たす為の仕掛けを作動させる為の物だろうと二人は直感的に確信した。かなりの広さで複雑な構造をしていたわりには定番と呼べる場所にありこんなことならメンバーを別けずに来た方が良かったと後悔もしていたようだったが……。
「どうやらあのレバーを引けば結構なことが起こりそうね。私達に有利なこととなる保証はないけど今はそんな心配してる場合じゃないわ。何としてもあいつを押し退けてあのレバーを作動させるわよっ!」
「しかしそれならばハンマンさん達に連絡を取って合流してからの方がいいのではないですか。私達だけで戦って敗北してしまっては元も子もありませんし……」
「そうね……。分析魔法を使って万が一あいつが反応して襲って来たら困るしとにかく先に連絡だけでも入れておきましょう。目的のものは最下層の一番奥にあったってね」
“ピッ……”
「……っ!、あら……」
「どうしたんです、ロザヴィさん。……っ!、、ま、まさか……」
「ええ……どうやら外の空間と違ってここじゃあ端末パネルによる通信は繋がらないみたい……。他に連絡を取る手段はないしやっぱり私達だけで戦うしかなさそうね」
「そ、そんな……ならここは一度引いて直接ハンマンさん達と合流しては……」
「いえ、ハンマンさん達がまだ最初の階を探索してるとも限らないし探している間に大分時間をロスしてしまうわ。リスクは覚悟の上で私達だけでなんとかしましょう」
「……分かりました。ですが一体どのような戦略であいつと戦います……。今の私達には敵の攻撃から守ってくれる前衛の方がいないのですよ……」
「それは仕方ないけど私がなんとか前衛になってあいつと直接戦う役目を引き受けるわ。ターシャさんはなるべくあいつと距離を取って回復とサポートをお願い」
「……っ!、ですがロザヴィさんも黒魔術師の職に就いていて前衛の職の経験はないはず……。本当にあんな見るからに凶悪な敵を相手にして大丈夫なんですかっ!」
「大丈夫……一応魔術師でも直接敵と戦える秘策を用意してるからなんとかなると思うわ。それよりまずはあいつに分析魔法を掛けようと思うけどそれに反応して戦闘になる可能性もあるから覚悟しておいてよ」
「……分かりました」
「よし……アナライズっ!」
階を隔ててしまったせいかハンマン達と連絡が取れずロザヴィとターシャは二人のみで目の前に立ち塞がるホオジロザメの魚人のモンスターと戦うこととなった。しかし交戦範囲に入っていなかった為かロザヴィ達を目の前にしながら未だに相手から攻撃を仕掛けてくる気配はなく、ロザヴィはその隙にアナライズの魔法により相手の情報の取得を試みた。分析魔法であるとはいえそれを受けたことによりそのまま交戦状態になっとしまう可能性もあったのだが、それでもまだ敵は動く気配はなかったようだ。奥のレバーの元へと進軍しようとすれば直ちに襲ってくるのだろうが……。そしてロザヴィ達がアナライズの魔法で得た敵の情報によると……。
・モンスター名 グレート・ホワイト・シャークノイド レベル465
・種族 魚人 ・所持属性 水 ・タイプ 海 ・魂質 陰
・戦闘ステータス
HP 785 MP 102 EP 583
物理攻撃力 672 魔法攻撃力 77
物理防御力 457 魔法防御力 330
・属性耐性率
火 20% 水 30% 雷 −25% 土 ±0% 氷 +5% 風 ±0% 闇 20% 光 −10%
・地形適正率
陸 85% 海 100% 空 0% 森 40% 山 30% 川 100% 明 0% 暗 20%
・特性
鮫肌……自身の体に接触時その相手に自身のHPの10%分のダメージを与える
高速遊泳……水中にいる間AGIの値が10%上昇する
白い死神……自身と交戦状態にある相手のHPの最大値が3%減少する
・主な使用技
ソー・トゥース・バイト……強靭な顎の力とギザギザの鋭利な歯で相手の体を噛み千切る
ロア・ストリーム……激しい咆哮により水中にて強烈な水流を発生させ相手にぶつける
「くっ……やっぱり結構なステータスしてるわね。ボスって程じゃないけど8人揃ったパーティでも苦戦を強いられるくらいだわ」
「本当にこんな奴の相手を引き受けて大丈夫なんですか……、ロザヴィさん。前衛でない私達のステータスなら一撃でHPが尽きてしまいますよ」
「正直不安しかないけどやるしかないわ……。あいつの近接攻撃を躱しながら直接魔法を打ち込めばなんとか倒せるはず……。それじゃあいくわよ、ターシャさんっ!」
「はい……っ!」
ロザヴィがアナライズで得た情報によると敵の名はグレート・ホワイト・シャークノイド。ホオジロザメの魚人という見た目そのままの意味の名だがそのステータスや技も“白い死神”とまで呼称されるホオジロザメを連想させるような凶悪なものだった。それを見ても尚ロザヴィ達は奥のレバーを引く為臆せず立ち向かって行ったのだが、ステータスの差ではとても2人だけ……、それも前衛の職に就いている者のいないこの状況で太刀打ち相手には思えなかったのだが……。
“グオォォォォッ!”
「ちっ……雑魚共が……鬱陶しいんだよっ!。。……うぉりゃぁぁぁっ!」
“グオォォォォッ……”
一方地上でサメのモンスター達の撃退を続けているナミ達であったが、やられはしないもののずっと敵の相手をしっぱなしで中々状況を打破できない現状に不安や苛立ちを感じ初めていた。今も塵童がその苛立ちを発散するように敵に悪態をつきながら殴り倒していたのだが、どうやら自身の身代わりとなり力尽きてしまったマーリスを救助に行けず放置したままとなっていることが気になって仕方なかったようだ。このままでは後僅かなでマーリスの蘇生を受け付けられる時間が尽きてしまうが……。
「このままじゃあマーリスを蘇生できなくなっちまうってのに……くそっ!」
「……っ!、塵童っ!」
“ダダダダダダッ!”
マーリスに助けられたことをずっと気に病んでいた塵童はとうとう気持ちを抑えることができなり突然HPの尽きたマーリスの体が転がっている場所へと飛び出して行った。それを見たリアは慌てて制止の言葉を叫んでいたのだが塵童はそんなものに構いもせずマーリスの元へと一直線に向かって行ってしまった。しかし皆がマーリスの蘇生に向かわなかったのは単にサメのモンスター達の迎撃に手間取っていただけでなく、その場所が開けた空間となって行って無闇に飛び出して行ってはシャドー・シャークドラゴンの餌食になってしまうだけであったからだったのだが……。とはいえ実際にマーリスの蘇生を受け付けられる時間はもう残り少なく、今向かわねば恐らくもう間に合わないところでもあっただろう。
「よし……っ!、今蘇生させてやるからな、マーリス。てめぇに借りを作るなんて俺は真っ平御免だぜ」
“スッ……”
「危ないっ!、塵童っ!」
「……っ!」
“グオォォォォッ!”
マーリスを蘇生しようとリヴァイヴ・ストーンを取り出した塵童であったが案の定ナミの時と同じようにシャドー・シャークドラゴンが上方から尾を振り子のように振るって攻撃を仕掛けて来た。マーリスを蘇生することに夢中になっていた塵童はリアの叫び声を聞いて慌てて顔を振り上げたのだがもう間に合いそうになく……。
「くっ……くっそぉぉーーーっ!」
“グオォォォォッ!”
“カッチィイーーンッ!”
“……っ!”
「……?。な、なんだ……っ!」
もう駄目だと悔しさのあまり叫び声を上げる塵童であったが、そんな時突如として何か研ぎ澄まされた刃と刃が勢いよく正面からぶつかったような甲高く透き通った金属音のようなものが辺りに大きく響き渡ったと思うと既に自身の目前まで振り下ろされて来ていたシャドー・シャークドラゴンの尾が寸でのところでピタリと止まっていた。まるで時間が止まってしまったかのように思えたが、改めて塵童が目を見開いて確認するとそこには何故か体を氷漬けにされてしまい身動きが取れずにいるシャドー・シャークドラゴンの姿があったのだった。
「こ、これは……一体どうなってる……」
「それは今僕が使った魔術札の効果だよっ!。今の内に早く逃げて、塵童さんっ!」
「……っ!、こ、この声はまさか……」
一体何が起きたのかと戸惑う塵童だったが、そんな時すぐ横にあったこの空間への入り口の辺りから塵童だけでなくここにいる皆がよく聞き覚えのある声が響き渡って来た。その声の主はそう……まさに先程からナミ達が待ちわびていたナギであったのだが、塵童がここへの入り口の方を見るとそこにはナギだけでなくアクスマンやセイレインといった他のパーティメンバー達の姿もあった。シャドー・シャークドラゴンの動きが止まったのはナギがゲーム最初の討伐大会の景品として手に入れたフリージング・レイの魔術札の効果のおかげのようだったのだが、間一髪のところを助けられた塵童はその隙にマーリスを連れて近くの遺跡の残骸に身を隠そうとするのだった。ようやく駆け付けてくれた援軍……、特にナミはナギが来てくれたことが余程嬉しかったようで他の者達より一層歓喜している様子だった。
「ナ、ナギ……助かったぜ。よし……今の内にマーリスを連れて安全な場所に……」
「ナギぃぃーーっ!、やっと来てくれたのねっ!」
“グオォォォォッ!”
「……っ!、雑魚がまた襲って来やがったか……くそ……」
「シバルリー……キャリバァァァーーーッ!」
“ズバァーーーーンッ!”
“グオォォォォッ……”
「……っ!、セイナっ!」
「今の内に早く行け、塵童っ!。ナギの使った魔術札の効果が切れてまたすぐに奴は動き出すぞっ!」
「ああ……済まん」
「ふぅ……ナギとセイナのおかげでどうにか塵童とマーリスは無事だったみたいね。全くあいつの無茶な行動には毎回肝を冷やされるわ。だけどナギ達が来てくれたおかげで少しはこっちの戦況が有利に……」
「来たのはナギ達だけじゃないわよ、リア」
「……っ!、こ、この声はっ!」
“ヒュイィィィィィィンッ……バアァァァンッ!”
“グオォォォォッ……”
「マイっ!、あなた達も来てくれたのねっ!」
「ナギぃぃーーっ!、セイナぁぁーーっ!、皆ぁぁーーっ!。危ないところに駆け付けて来てくれてありがとぉーっ!。だけど今ナギが動きを止めたそいつ結構ヤバい敵でとてもじゃないけどまともに太刀打ちできる相手じゃないのっ!。そいつがまた動き出す前にあんた達も早くどこかに身を隠してっ!」
塵童はシャドー・シャークドラゴンの動きが止まっている間に安全な場所に移動してからマーリスの蘇生を行おうとしたのだが、それを阻止しようと思ってかイタチザメのモンスターがマーリスの腕を肩に掛け体を持ち上げようとしてる塵童に向けて容赦なく襲い掛かって来た。仕方無くマーリスを抱えた状態で撃退しようとしたのだが、その時颯爽とセイナが塵童の前に駆け付けてシバルリー・キャリバーでイタチザメのモンスターを一刀両断にしてしまった。先程ナギ達のいる通路にはセイナの姿が見当たらなかったがどうやら既に皆の援護をすべく地上に下りていたらしい。更にはその後リア達のいる側の通路からマイのいる不仲達のパーティも駆け付け、セイナと同様に地上へと下りてナミの忠告に従って近くの遺跡の跡地へと皆身を隠していった。
「よしっ……これでようやくマーリスの奴を蘇生できる……」
“パアァァ〜〜ンッ!”
「う……うぅ……塵童……」
「目が覚めたか、マーリス。これでどうにかお前に借りを作らずに済んだな」
「馬鹿が……俺なんかを蘇生させる為にあんな無茶しといてよく言うぜ。お前のせいで俺までナギやセイナ達に借りができちまったじゃねぇか」
「まぁな……。だがあいつ等が来てくれたおかげでマジで助かったぜ。不仲やマイ達のパーティも到着したみたいだしこれで今度は俺達の方が反撃に……」
「ふぅ……一先ずここに隠れれば大丈夫だよね……。でもナミがあんなに必死になって忠告してきたってことはやっぱりパンナさんの言う通りあのシャドー・シャークドラゴンっていうボスモンスターは僕達じゃあとても太刀打ちできない程の強さを持っているってことなのかなぁ……」
「……っ!、ナギっ!」
「あっ!、塵童さんっ!。それにマーリスさんも無事に蘇生できたみたいで良かったっ!」
ナギとセイナのおかげで窮地を脱した塵童は近くの家屋となった遺跡の跡地へと逃げ込みリヴァイヴ・ストーンでマーリスを蘇生させていた。憎まれ口を叩きながらもマーリスは蘇生してくれた塵童に感謝している様子であったが、そこへナギとパンナ、それにリリスにセイレインも敵から身を隠す為ここへとやって来た。どうやらナギ達はこの空間にいる皆と連絡を取ってラディアケトゥスを復活させる段取りを立てる役目を担ったようだ。その為塵童と同じように比較的安全度の高いこの場所を選んだのだろう。
「何……じゃあそのラディアケトゥスとかいう奴の封印を解かないとあいつは倒せないっていうのか……」
「うん……少なくとも今の僕達のレベルじゃあ歯が立たない相手みたい……。それでここに来る途中に出会ったパンナさんがラディアケトゥスのことを教えてくれて、不仲さん達のパーティと協力すればなんとかラディアケトゥスを僕達の国のネイションズ・モンスターとして仲間することができるみたい」
「ネイションズ・モンスター……そんなものがこのゲームには存在していたのか。だが確かにそいつならあの馬鹿デカいサメにも勝てるかもしれねぇな。他の奴等もこれまでの戦いであいつのとてつもない強さを実感してるだろうし皆喜んで強力してくれるだろうぜ」
「うん、マーリスさん。今他の皆にも連絡を取ってみらからちょっと待ってて」
家屋へと逃げ込んだナギは早速皆と通信を繋いでネイションズ・モンスターのラディアケトゥスとその仲間にする方法について説明したのだが、マーリスの言う通りこの状況を打破できる策があると聞いて皆喜んでナギ達に協力する意志を見せていた。不仲達のパーティも到着していることで魔獣術士、霊獣使い、聖獣使いの職に就いている3名、そしてラディアケトゥスを仲間にする為に使用する聖物プランクトンもあり後はラディアケトゥスの封印されている場所まで辿り着くことができるかどうかだが……。
「……っ!、それじゃああの真ん中のピラミッドの形をした建物の内部にそのラディアケトゥスっていうネイションズ・モンスターが封印されてるのね、パンナさん」
「はい、ナミさん。そこにナギさん、アメリーさん、ハイレインさん、そして私も含めた4人が聖物プランクトンのアイテムを持って向かえばラディを皆さん方の国のネイションズ・モンスターとして仲間にすることができるはずです」
「きっとそれであいつも執拗に私達を襲うとせずあの建物の周りからなるべく動こうとしなかったんだわ。だけどそのピラミッドの建物なんだけどどこにも入り口らしきものが見当たらないのよ。もっと近づけばどこから入るのか分かるのかもしれないけどその周りにはずっとあいつがうろついてて迂闊に近づけないし……」
「あの建物以外のここにある祭殿の跡地の内部のどこかに入り口を開くことのできる仕掛けがあるはずです。祭殿への進入口はこの空間内にいくつか散らばって配置されていますからまずはそこから探索をして貰わねばなりません」
「それならもうロザヴィ達、それに他のパーティからも何人か入り口を見つけて探索に向かってくれてるんだけど……内部に入ったらこっちと通信が繋がらなくなっちゃうみたいで連絡を取る手段をないのよ。もしその仕掛けを見つければ作動させてくれるとは思うんだけど……。念の為こっちからまた何人か向かった方がいいかしら……」
「それなら俺とこの爆裂女、それにエロ爺が行くぜ。ちょうど近くにその入り口らしきものが見つかったからな」
「本当っ!、じゃあお願いするわね、エックスワイゼットっ!」
「くっ……性懲りもなくまたその呼び名を……まぁいい。話は今聞いた通りだっ!、行くぞ、爆裂女にエロ爺っ!」
「ちっ……なんかお前に偉そうに命令されると腹立ってくるぜ……。エックスワイゼットとかいう変な名前で呼ばれてるくせによぉ……」
「よし……それじゃあ頼んだわよ、爆ちゃん、ボンじぃ、それにエックスワイゼット」
ナミから頼まれてアクスマン、爆裂少女、ボンじぃの3人は中央のピラミッドの建物の入り口を開くべくロザヴィ達と同じようにこの祭殿の跡地の内部の探索へと向かった。3人が入って行ったのはロザヴィ達とは別の入り口だったが中で合流することはできるのだろうか。現在ロザヴィ達はその入り口を開く為のレバーを発見しそれを守るグレート・ホワイト・シャークノイドと戦闘中であった為アクスマン達もできればそこへ向かえると良いのだが……。3人が向かった後残った者達は再びサメのモンスター達の迎撃を続けながらナギ、アメリー、ハイレイン、パンナの4人がピラミッドの内部へと突入する為の算段を立てていた。
 




