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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第二章

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第九話 宇宙の誕生

「生命が誕生した」このニュースは直ちに天界に知れ渡ったらしい。

研究の神によるさりげない展示が、天界に激震を走らせた。

すぐに宇宙に適用されるよう、熱望された。


しかし、当時の宇宙はすでに無限大に大きく膨張しており、個別の物質に修正を加えるには、あまりにも広大すぎた。

天界は、今ある宇宙を一度放棄し、新しく宇宙を構築せざるを得なかった。


この宇宙の再構築には、膨大な労力が必要だったようだ。

天界の住人総出で新宇宙構築に取り組んだ。


宇宙を新規構築し、光速度不変の原理とテレポートの機能を追加。

大量の物質を用意し、構築した宇宙に注ぎ込む。

新しい生命への期待に胸を膨らませた神々は、可能な限り多くの物質を詰め込んだ。


そして、新しい宇宙の“時”を動かした。


密集した物質の空間では、それぞれの性質に応じて、すぐに爆発が起こった。


同じ性質どうしくっつく性質を持つ物質は、くっつき星になるのと同時に、異なる性質を持つ星々を遠方へと弾き飛ばした。

違う性質どうしくっつく性質を持つ物質は、すぐに違う性質を持つ物質を見つけ結合し、安定して宇宙を漂いはじめた。

それらの物質に全く反応しない物質は、爆発には無関係というように自然に宇宙に広がっていった。


これが、今からおよそ150億年前に起こったとされる宇宙の誕生。

地球でもこの現象は予想されている。そう、“ビッグバン”だ。

地球の人々は、この現象を予想し、“ビッグバン”と名付けている。


もちろん、宇宙が誕生してすぐに生命が生まれたわけではない。

この宇宙を研究していた神は、数えきれないほど多くの小さい宇宙を長期間、時間を倍速にして観察していて、偶然、生命の兆しを発見したと語っていた。

神々は当初、少し落胆していたが、やがて生命の誕生を静かに待つことにしたようだ。


宇宙誕生から50億年から100億年かけて、最初の生命と思われる存在がこの宇宙で発見された。

この情報はすぐに天界へ届けられ、最初の生命には盛大な祝福が贈られた。


私たちは、皆、黙ってパンフレットを読んでいた。

宇宙の誕生、そして生命の誕生――スケールがあまりに大きすぎて、私にはまだうまく想像ができない。

ただ、それがとてつもなく偉大な出来事であることだけは、はっきりとわかる。

生命の発見を聞いた天界の歓喜を思い浮かべるだけで、胸が熱くなる。

「初めて生まれた生命。偶然作られた宇宙の法則によって、自然に生まれた生命。

もし、私がそれを観察していたら…。」


こうして振り返ってみると、宇宙の法則コンテストの最優秀賞は、どれも今の宇宙に適用されている。

最優秀賞は、機能性、芸術性だけでなく、実用性も加味されて選ばれるようだ。

最優秀賞が選ばれない展示も少なくないという。

そもそも展示が許された時点で、多くの宇宙の中でも選ばれし成功例なのだ。

素晴らしい宇宙であることは、間違いない。


コンテストへの期待が、大きく膨らんでいく。


私たちは、圧倒的なスケールに言葉少なく、コンテスト会場へと戻った。

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