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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第一章

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第五話 宇宙の法則コンテストのお知らせ

神様といえば、生命を観察し生命に慈愛を与える者とされがちだが、実はもっと大切な仕事がある。

それが、宇宙の創造。

今の宇宙は、創られてからすでに長い時間が経過している。

忘れられがちではあるが、この“宇宙の創造”こそ、神が神たる所以なのだ。


よりよい、より楽しい、より面白い宇宙を創るため、“研究”を仕事とする神々は日々研鑽を重ねている。

宇宙の法則コンテストは、そうした研究成果の発表の場として、古くから続いてきた。

最近生まれた他のコンテストとは異なり、宇宙の法則コンテストは由緒ある格式を誇っている。


天界で開催される多くのコンテストでは、一般者の展示は許可されている事が多い。

しかし、このコンテストでは、一般者が展示することは難しい。

このコンテストでは宇宙そのものが展示され、その創造には膨大なコストと長年の研究が必要になるためだ。


宇宙の法則コンテストには、私も過去に一度だけ参加したことがある。

当時はまだ幼く、内容も目的もよく理解できなかったけれど、今なら、その意味と意義が少しはわかる気がする。


私は、過去を思い出し、懐かさを覚えながら、ミカエルから渡された封筒の中の手紙を読み進めた。


コンテストは、その多くが、天界の大広場“セレスティア・プラザ”で開催される。

そして、今回の宇宙の法則コンテストも、例外ではなくセレスティア・プラザで行われるようだ。

ただし、展示される宇宙は、万が一の事態が天界に影響を及ぼさないよう、天界から遠く離れた場所に創られている。

セレスティア・プラザは、その遠方の宇宙と天界を手軽にテレポートでつなぐ、転送ステーションとして機能しているらしい。


今回のコンテストでは、本番だけではなく、これまでのコンテストを振り返る“前夜祭”も開催されるみたい。

宇宙の法則に詳しくない神々も、前夜祭に参加すれば、これまでどんな宇宙が選ばれてきたかを知ることができるってことね。

この前夜祭も、もちろんセレスティア・プラザで行われる。


どうしよう、コンテストも前夜祭も、今から楽しみで仕方がない…。


私は、飲み物を用意して皆をリビングに集め、宇宙の法則コンテストについて語り始めた。

自分ではさりげなく誘ったつもりだったが、どうやら皆には私の高揚が伝わっていたようだ。

話すうちに、自然と口調が早くなり、語る量も増えていく…。


ミカエルは、私の様子に笑顔で答えてくれて、

メモリナは、「やっぱりね」と言いたげな表情で、

ルミエルは、私の熱に構うことなく、マイペースに飲み物をすすっていた。


今の宇宙を形作る、“宇宙の法則”。

その裏側、舞台裏をのぞくことができるのだ。

日々、どんなことを考え、どんな思いでこの宇宙を生み出したのか知ることができるかもしれない。

面白くないはずがない…。


ミカエルだけは、最後まで笑顔で私のお話を静かに聞いてくれた。


   第一章 神の家にて 完


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