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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第五章

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第二十七話 魔王ヴァルグレア

愚鈍なる神々よ、我が名をしかと刻むがよい。

我が名は、魔王――ヴァルグレアなり。


150億年もの時の彼方、魔界は混沌の世界を具現化した。

喰らい、奪い、壊し、征する――それが魔界の唯一の掟。

魔王の自我を持ちし我は、存在せし時より圧倒的強者なり。

飢えれば喰らい、欲すれば奪う。思うがままに我は存在す。


不足などない我が欲望は、ただ一つ――「強さ」。

我が強者であることを示すため、世をさらに混沌とす。

そこに、意味など無い。強さこそ、我が望みゆえ。


気づけば魔界は、我がものと統一されていた。

我が最も嫌う「統一」。

我の強さを誇示するための敵が現れぬ。

統一とは、弱者の集まり。

混沌こそ、強者の舞台となろう。


さすれば、次は、天界となろう。

我が強さを、神々に示してくれん。

我が配下と共に、天界を蹂躙してくれる!


だが――敗れた。

ただ、敗北した。

数でも、質でも、確かに我が軍は劣っていた。

だがそんなことはどうでもよい。

我が勝てばいい。ただそれだけのはずであった。

しかし、負けた…。我の初めての敗北。

神々の策略に、智謀に、協力に――我は敗れたのだ。


神々に屈したその日、我は誓う。

「次こそは、我一人でも神々を屠る」と。

軍など要らぬ。配下との馴れ合いなど不要。仲間など慰めにすぎぬ。

我が身一つでも、神々を地に叩き伏せてやる。

神々の策略、智謀、協力など、我が圧倒的な魔力によりねじ伏せるのだ。

群れなければ勝てぬ神々に、我が力を知らしめてくれん。


そのためには、力を蓄えねばならぬ。

無限の魔力を、我が身に集めねばならぬ。


傷つき、宇宙を彷徨う我は、ふと気づく。

この宇宙には“神の綻び”がある…。

“ブラックホール”――ブラックホールこそ、神の綻び。

自身の重さで作られし、神の綻び。

神の力で作られし物質すら破壊する、宇宙のゆがみ。

ゆがみがさらなるゆがみを生む無限の連鎖となり、加速度的にエネルギーが集約されていく…。


そこに我は潜むことにした。

素晴らしい…。何もせずとも魔力が集まってくる…。

光すら逃さぬ深淵――我の魔力が外に漏れることもない…。

誰にも気づかれぬまま、我は魔力を蓄え続けた。

光すら逃れられぬその深淵で、我は鍛え続けたのだ。


かつての我が身など、既に塵ほどの大きさだ。

今の我は、質量も魔力も、次元を超えている。


手下が時々、外の情報を投げ入れてくる。


どうやら、そろそろ神々が動き出すようだ。

我が眠るブラックホールを解体せんと、集い始めているようだ。


ふふふ……、ふははははははははっ!!

よかろう、来るがいい。

もはや、神が何柱集おうと、我の敵であるものか!


今こそ、我が力を知らしめる時!

我こそが、混沌と破壊の王――魔王ヴァルグレアなり!!


   第五章 ブラックホールの解体 完


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