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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第四章

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第二十二話 今の宇宙の大きな問題点

朝、いつも通り、ミカエルのコーヒーを飲み、星の観察に取り掛かる。

「いつもありがと!なんか、だんだんおいしくなっている気がする。」

「おいしそうに飲んでくれるだけで、作ってよかったと思います!」


しばらく、星を観察していると、天界新聞が届く。

私は、いつも通り、一旦星の観察を中止し、新聞を読み始めた。


今の宇宙の問題点――そういえば、もう一つあった。

今日の新聞は、それがテーマになっていた。


私は、記事を読み始める。


「ブラックホール」

この宇宙には、同じ性質どうし集まる物質がある。

この物質は、少しずつではほとんど力を持たない。

しかし、その性質によって多くが集まると、強い力を持つようになる。

強い力を持てば、さらに強く同じ性質を持つ物質を引き寄せ、さらに強くなる。

繰り返し、集まり、力を増し、さらに集まるうちに、際限なく強い力を得るようになる。


異次元の引力を持ったそれは、この宇宙で最速の光でさえ、逃がさなくなる。

光を逃がさないそれは、周囲から視認されることがない。

他の物質と違い、暗く、そして黒く見えるため、「ブラックホール」と呼ばれるようになった。


そうだった…。重力は、自然と物質を集め、ブラックホールを生み出してしまうんだった…。


違う性質どうし集まる性質の物質は、一つ一つの力はそれなりに強いが、どんなに集まっても性質を打ち消し合い、大きな力にはなりにくい。

少なくとも、その物質で大きな力を生むには、さらに極端に強いエネルギーが必要になる。


しかし、同じ性質どうしが集まる力は、自身の力だけで際限なく強くなってしまう。

ブラックホールができるのを恐れて、同じ性質どうし集まる力は、意図的に弱く設定されているのではないか――

そう考えてしまうほど、ブラックホールは“宇宙のバグ”とも言える存在だった。


宇宙最速の光ですら脱出できない。

一度ブラックホールに捕まってしまえば、逃げ出すことはできない。

そして、その中心部では、通常の物理法則――宇宙の法則すら成り立っていないのではないかと、天界でも恐れられている。


星々が離れ離れになってしまうほど、同じ性質どうし集まる力は弱く設定されている。

それでも、ブラックホールは自然に発生する。

それほど、この力は強力なのだ。


「そろそろ、ブラックホールの解体が近いのかしら…。」

そんな宇宙の法則に支えられて、ブラックホールは自然に発生し、放っておけばさらに強くなる。

そのため、神々は時折、ブラックホールの解体を行うことにしている。

それは、宇宙の物質がブラックホールに偏るのを防ぎ、捕まってしまう危険性を減らすためでもある。


そして、ブラックホールの解体には、多くの労力が必要になる。

記事の下には、案の定、ブラックホール解体の仕事の広告が、さりげなく掲載されていた。


「みんなー。ブラックホールの解体の仕事だってー。やってみようと思うけど、どう思う?」


「私は、お手伝いしますよ。」

「ホープとミカエルがやるのなら、私もやる。」

「甘いものくれるのなら、私だってやる。」


「ありがとう!みんななら、そう言うと思ってた!」

みんな、なんだかんだいって、私のことを手伝ってくれる。

否定されたことなんて、一度もない。


明日の新聞で、ブラックホール解体の仕事が記事として特集される、と広告に記載されていた。

私は、念のため、明日の記事を読んでから、参加を決めようと思った。


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