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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第一章

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第二話 天使のミカエル

私はミカエル。ホープ様のお使いの天使をしている。


神々は神の力を持ち、日々の生活には困らないけれど、それでも皆、簡単な仕事をする決まり。

天界の仕事は大きく、観察、干渉、規律、補助、研究の5つに分類されている。

この5つの分類は、天界と魔界が争っていた頃、主となって魔王を倒した5柱の行動を基に定められたものだ。

それ以来、神は世界を観察し、時に干渉し、神々自身に規律を設け、互いに補助しあい、宇宙を研究するようになった。

ここまでのお話は、天界に住む神々なら誰もが知っている、天界の初等教育で教わる神の道徳だ。


ホープ様は、5つのうちの“観察”という分類の中の“星の観察”を担当していて、私は“補助”の中の“お使いの天使”という役割を担っている。

つまり、“天使”というのは職業であって、天使を経て神になれるとか、そういう事ではないの。

もちろん、“星の観察”を仕事とする神々にだけ許可されている天変地異級の力もあるけれど、それは、特定の星に対する限定的な力。

天界で暮らす分には、私自身も、神であられるホープ様と同等の力は持っているというわけ。


ホープ様は、なんでも自分でやってしまうタイプの神様。そんな神のお使いの天使はとっても楽。

時間にゆとりのある私は、最近は小説をよく読むようになった。

もともと小説が好きで、天界のライトノベルをよく読んでいたんだけれど、ホープ様の地球の観察をきっかけに、今は地球の小説を読んでいる。

今の地球では、膨大な数の小説が無料で読める。まだ無名の人々が、日々小説を書いて投稿しているおかげ。

そんな数えきれないほどの作品の中から、まるで原石のように面白い小説を見つけ出すのが、私の最近のお気に入り。


どの作品も個性的で興味深く、楽しく読ませてもらっている。

ただ…少し心配な事もある。


技術の進歩により生産性が飛躍して、人材が、生産活動から文化や研究に流れるというのは、どの世界・どの文明でも起こる自然な流れ。

でも、今の地球は、どこか少しバランスを欠いているような気がする。

無料というのは読者・利用者にとってはもちろんありがたいけれど、作家や創作者には少し厳しい現実でもある。


もう少し文化が正当に評価され、そうした人々にもう少し報酬が行き渡る仕組みが整えばいいのにと思う。

このままでは、サービス業が衰退し、人口も減り、創作される小説の数も減ってしまう気がする…。


「って、結局は私がもっと小説を読みたいだけなのかもね。」私は独り言をつぶやいていた。


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