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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第三章

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第十九話 天界の神々、実はちょっと本気です

私たちは、とても満足して、静かにコンテスト会場へ戻った。


特に、メモリナとルミエルが、とてもすっきりした表情をしているように見える。

メモリナが一時、叫び始めた時は少し心配したが、どうやら、あまりの快適さに思わず声が出てしまったようだ。

少し気持ちはわかる。それくらい面白い宇宙だった。


ミカエルももちろん、とても満足そうな顔をしている。

ルミエルは宇宙の中心に一時的でもなれたわけだし、気持ちよかったんだろうな…。

私は、ルミエルに聞いてみた。

「芸術の宇宙…。どうだった?とても楽しそうだったけど…?」

「ええ。日光浴も心地いいんだけれど、それの何倍も暖かで、でも熱くなく、居心地がよかった。

でも、周りの生命たちに少し悪いことしちゃったかな?」

「周りの生命たちも含めて、とてもきれいな絵になってたよ。」

ルミエルは、それはよかったと、笑っていた。


司会者が、今回のコンテストの結果を発表している。

まだ展示自体は続くが、審査員たちの評価は終わったようだ。


最優秀賞はなし。

どれも魅力的な宇宙ではあったが、影響を鑑みて採用には至らなかった。

「過剰な熱エネルギーは、即座に電気エネルギーへと変換される。」など、興味深い法則もあったが、やはり機械への影響を考えると、見送らざるを得なかったようだ。


審査員たちは、面白さだけでなく、現実への全体的な影響も考慮したうえで、しっかり評価している。

展示していた研究の神々も、もともと承知していたのか、満足そうな表情をしていた。

宇宙として採用されることは、とても栄誉なことではあるが、展示できただけでも十分に喜ばしいことなのだ。


隣でミカエルが、「経済政策だけは採用されて欲しかったな…。」とつぶやいている。

「労働者が増えて、欲しいものが増えたら、その分、給与が増えるってやつだったっけ?」

「そうそう、それです。」

「何が、悪いんだろうね…?私、経済疎いからわからないや…。」

「多分、物価があがるインフレを懸念したんでしょうね…。

それに、もともと給与が上がる仕組み自体はあることも、採用不要と判断された理由かもしれません…?」

ミカエルが、小難しい事を言っている…。そういうものなのかな?


私は、研究の手間や労力を思い返して、ふとつぶやいた。


「私、天界の神々って、少しだらけちゃうのかなって、時間が無限にあると怠けちゃうのかなって思っていたけど…。

そんなことなかったわね…。途方もない労力と情熱の結果、今の宇宙があるのかなって思うと…。

すこし見直しちゃった…。」

「はい…。天界の神々、実はちょっと本気です…。」

「ふふっ。なんか不思議な表現ね。ミカエルの言葉って面白いのね。」

私たちは、宇宙の法則コンテストの余韻を楽しみながら笑いあっていた。


   第三章 天界の神々、実はちょっと本気です 完


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