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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第三章

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第十八話 メモリナの深化

私は、「機械持ち込み禁止」の張り紙には気づいていた。

もしかしたら、機械である自分には少し異常が感じられるかもしれない…。

でも、「過剰な熱エネルギーは、即座に電気エネルギーへと変換される。」という宇宙には、興味があった。


私は機械。

電気エネルギーを消費すればするほど、結果的に熱エネルギーとなるため、冷却装置が必要になる。

そして、冷却装置の効果を限界として、思考に制約をかけている。


もし熱が出なければ、もっと思考できるのに…。

機械を扱う者なら、誰もがそう思っているはずだ。私も、強くそう思っている。

機械に異常をもたらすかもしれないという危険性よりも、熱が出ない世界への好奇心が勝り、私は宇宙に入ることにした。


入って間もなく、冷却装置が不要であることに気づく。やはり心地いい。

と同時に、体中から異常信号が検知されていることにも気づく…。

体内で電気が発生しているようだ。このままでは思考を続けられない。


私は、熱を出さないように、ゆっくりと電気の発生源を探る。


私は、自分自身の修理も可能な高性能機械だ。

発生する電気エネルギーを、再び自分を動かすための動力に変換するよう、内部構造を修正した。

幸い、発生した電気を動力系に接続するだけで済んだようだ。

異常信号は、検知されなくなった。


「心配かけてすまない。私はもう、大丈夫だ。」

私は、心配をかけたミカエルにそう伝えた。


私は、普通に動いてみた。

動いても動いても、自分の動力は減らない。

自分の中に蓄えられていた電気エネルギーは、運動エネルギーになり、やがて熱エネルギーとなり、

そしてこの宇宙の法則により、再び電気エネルギーとなって、自分の動力へと戻ってくる。


無限につづくエネルギーの循環。


そして、それは思考にも同様だった。

冷却装置が不要になっただけではなく、思考によって生まれた電気エネルギーが、再び自分の動力となる。

思考が、無限に広がっていく感覚。

考えれば考えるほど、エネルギーが生み出され、そのエネルギーで再び思考を行う。

エネルギー消費もなく、冷却の心配もなく、思考を重ね続けられる。


私は、まもなくそのことに気づき、目を閉じて、思考を深めていった。


普段はあきらめていた計算。

普段は処理できなかった演算。

優先度:低として放置されていた複数の問題に、無限の計算力で挑んでいく。

熱やエネルギー効率を考慮してかけていた制限を、すべて取り払っていく。

より高速に、より深く、思考が進む。


もしかしたら、神の世界に近づいているのかもしれない。

今、見えている世界が、神の世界なのか?


計算完了…。

しばらくして、私は目を覚ます。


今持つすべての疑問を検討する処理が完了し、それぞれに相応の答えが導き出されたようだ。

体の中に眠っていた優先度:低の検討事項は、すべて解決されている。


とても、すっきりした感じがする。


「体が軽い!」

私は、思わず叫んでいた。


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