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天界の神々、実はちょっと本気です  作者: よむよみ
第三章

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第十七話 熱エネルギー変換法則

次の宇宙は、まるで子供の遊び場のようだった。

ホープ様の顔は、すでに笑顔になっている。


神々の子供たちが、所狭しと広い運動場を一生懸命に走り回る。

そして時折、中央の機械に触れて、機械に表示された数字を確認し合っていた。


この宇宙に追加された法則は、一つ。

「過剰な熱エネルギーは、即座に電気エネルギーへと変換される。」

子供たちは運動場を走り回って熱を電気に変え、体に蓄積し、その電気を機械で計測して、どちらが上かを競い合って遊んでいるようだった。


普段は「汚れるから」「汗をかくから」「危ないから」と動き回るのを制限されている、お偉い神々の子供たちも、ここでは自由に遊んでいた。

時々、子供たちどうしが接触して静電気が発生するが、その痛みすら楽しんでいる。

子供たちが無邪気に、楽しそうに走り回る姿は、周囲の神々すべてを笑顔にしていた。


「子供たち、楽しそうね…。ねえ、ミカエル、私たちも走ってみない?」

私も、ホープ様に連れられて、動き回ってみる。

汗も出なければ、体が熱くもならない。動きやすい、不思議な世界だ。

無限に走れそうな感覚に従って走り回っていると、普段より呼吸が激しいことに気づく。

体が熱いという不快感はないものの、動き回るのに必要な空気の量は変わらないらしい。

「空気がもう少し濃ければ、もっと走れたかも…。」

と、自分の運動不足を棚に上げて、動けないのを空気のせいにして、私は歩き始めた。


私は、楽しそうに走り回るホープ様や子供たちを、ゆっくり見守ることにした。

中央の機械に触れて発電した電気を逃がし、運動場を外側から見守っているルミエルの横に座る。


ホープ様は子供たちと一緒に走り回っている。

時々計測して、大人げなく子供たちに勝っているみたい。


「ホープ様は、子供たちにも人気なのね。」

子供たちと仲良く遊び始めたホープ様を見て、私はつぶやいた。

ルミエルも、皆の様子をほほえましく見守っている。


ただ、メモリナは少し異常な様子だった。あまり動けないみたい…。


私はメモリナに近づいて声をかける。

「大丈夫?」

「ああ、多分大丈夫だとは思う…。」


一応誰かに声をかけた方がいいかもしれないと思い、周囲を見回す。

看板があり、よく見ると「機械持ち込み禁止」という張り紙がある…。


そっか…。想定していない電気は、機械で構成されたメモリナには有害なんだ…。

「ここ、機械禁止って書いてある…。ごめん気づかなかった…。外、出た方がいいんじゃない?」


少しの沈黙の後、メモリナは急に元通りに動き出した。

「心配かけてすまない。私はもう、大丈夫だ。」


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