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HRで端末を確認すると、俺の学生証にはEランク 680ポイントと表示されていた。
999ポイントまではEランク、1000ポイントを超えるとDランク、1000ポイントごとにランクが上がる仕様らしい。聖杯試練に必要なAランクまでは4000ポイント必要ということだ。
「一年はEランクから始まる感じか...」
そんなことを考えていると
「俺、Cランク!」
と席の後ろで男子数人が騒いでいる。
どういうことだ?入学の時点でランクに差がある...
Cランクの男子生徒はほかの生徒とは違うってことなのだろうか。
今はまだ判断材料が少ない。もう少し情報を集めてみるか。
少しして担任が教室に入って来た。
「みなさんおはようございます。そして入学おめでとうございます。私は春日 響。これから3年間、4組を担当することになりました。よろしくお願いします。それじゃあまず、自己紹介をしましょう。」
担任の指示で一人ひとりの自己紹介が始まった。
そしていよいよ俺の番に回ってくる。
「柊木 文哉です。よろしくお願いします。」
くそ、ボケの一つでもしてやろうかと思ったが、そんな度胸は俺にはなかったみたいだな。
「西園寺 海翔です。よろしく!」
元気に自己紹介したこいつは、さっきCランクだと言っていたやつだ。
西園寺...西園寺と言えば国内最大の半導体メーカーか。もし入学時点で家系がランクに関係しているとすれば、一般家庭や階級の低い人たちに不利じゃないか?
学園長の話では、ポイントの譲渡が可能らしい。ということは、この学園では所有ポイント数が力になるということだ。
くそ。パシリにされたりしたら堪ったもんじゃない。
全員の自己紹介が終わり、担任からの話のあと、俺たち生徒は放下となった。
すでにグループを作っている奴らはこの後の予定について話しているようだ。
やっぱり、色々と情報が少なすぎる。
これから数日掛けて情報を集めていくとしよう。