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ドラゴン


「そんな事があったのか?」


 ティオスは驚き、卵を見たが、何の卵かは知らないと言った。


「まあいいさ」


 二度目の春になり、俺は遠出をするようになった。


 障害だった氷魔鳥も魔矢に怯えて、上空に逃げ、その先のダンジョンに辿り着いた。


 残された詳細な地図に記されていた通りだった。


 だが、そのダンジョンの攻略は一筋縄ではいかなかった。


 外にいる魔物よりも、更に強い魔物、ゴーレムが多く、階層や迷路、トラップが山程あった。


 何度も死にかけたが、セルフヒールにより、回避できた。


 そうこうしているうちに、俺は17歳になった。


「今年はいらないぞ」俺は、ティオスに恥ずかしいが宣言した。


「そうもいかん。受け取れ」


「何だ? これじゃあ、一流の戦士じゃないか?」


 明らかに、最高品質の武器と防具だった。


「王国から、余物だと受け取ったものだ。俺は引退したから、お前にやろう」


 俺の体の一回り大きくくらいの寸法で、どう見ても、比較的小柄なティオスがもらうのはおかしいだろう。


 武器と防具で鍛錬と調整をしていたら、三度目の冬がやってきた。


 真冬になると、魔女が再び現れた。魔力を奪いに来たのだ。


「一つ、教えてくれないか。卵だと思うんだが、これは孵化するのか?」


「……お前、魔力注いでない……」


「じゃあ」更に質問をしようとしたが、魔女に手を取られて、俺は気を失った。


 真冬で、出かける事も無いので、卵に手をかざして、魔力を注いだ。


 やがて、光のさす温かい春の日、小さなドラゴンが生まれた。俺は、やっと出来た親友にティアと名付けた。


 優しい目をした子だ。その額には、眷属を現す紋章があった。








お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

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