表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/179

海戦前夜

レイラ視点。

レイラ視点


 私は、ティアとリドリーを送り出すと、船団に霧に沿って進むよう指示した。

 再び、何度もやり直してきた。時の波の意志が、再び強くなりつつあるのを感じる。


「新婚旅行に行っといて良かった」


 こうなることを予測して、最初に彼と旅に出たのだ。やり直すたびに、彼との幸せな時間から始められる。

 ステージクリアという言葉が正しいかはわからないが、難易度は確実に上がっている……。

 悲劇の終わりを繰り返すたび、精神がすり減っていく。リセットポイントには、必ず楽しみが必要だと、心の中で思う。


 しかし、時の波に流されない存在たちもいる。魔女たちだ。


 彼女たちの能力によって、記憶の残り方に差があるようだが……。


 魔女たちを満足させない限り、先へは進めない。待遇が悪化すると、つまらない妨害を仕掛けてくる。

「大森林の魔女は、やり過ぎだわ」

 リドリーの父は、彼女が守護者であるため、当然のようにリドリーを手に入れようとしたが、氷雪の魔女の手がすでについていたので拗ねている。


「どれだけ搾り取るつもりなのかしら」

 とはいえ、大魔女だからこそ、見極めて限界ぎりぎりまで報酬を取っていったが、私に敵対するつもりはないようなので、一安心だ。彼には申し訳ないが、美味しいお粥で許してもらおう。


 最大の課題は共和国の内戦だ。

 早く王国の兵を送り込み、鎮圧しなければならない。既に、ウエストグランには、セオの率いる王国騎士団を中心に兵を移動させてある。


 だが、マリスフィア侯爵領を通過しなければ、目的地には辿り着けない。

 共和国への道、西側のルートは、すべてマリスフィア侯爵の侯都セーヴァスを通る。交通の要所でもある。

 無理に突破すれば、王国で内戦が勃発する。それでは最悪だ。


 そしてタイミングよく、連合王国が攻めてくる。いや、あらかじめ、計画していたのが正しいだろう。

 彼らも、又、セーヴァスの重要性を理解している。

 島国で海軍力を持つ彼らに対抗するには、港湾都市に防衛陣地を築くべきだが、マリスフィア侯爵家が動かない状況だ。


 となると、海戦しかない。どうやって……。


 王国が直接持つ海軍の大型船舶は少ないが、セーヴァスには民間の大型船舶の護衛艦がいくつかある。

 私は、最新鋭の船舶用大砲を急いで格安で譲渡した。

 彼らは必ず購入するだろう。なぜなら、幽霊船が現れ、被害が出ているからだ。そして結果、その通りとなった。


 何とか、数は集めた。この急ごしらえの艦隊で勝たなければならない。

 

 リドリー達には、他のことを頼んでいる。



「それでも、必ず、勝利するわ」レイラは、微笑んだ。




お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ