表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/178

魔物


小屋には、探索者が住んでいた痕跡があり、地図や書物が残されていた。


「さて、何から取り掛かろうか?」俺は島の探索をすることにした。


「思ったよりも広いな」


 まあ、時間は腐るほどある。だからこそ、剣の鍛錬と、暇に任せての訳のわからん本の読書も欠かさなかった。


 週に一度来ては、一泊して帰る老人に「指導を頼む」と頭を下げて武術を習い、俺の腕はめきめき上達していた。


 厳しい長い冬には一歩も動けず、時には執行人も来られなかったが、なんとか生き延びて春を迎えた。


「逃げ出さんかったな」


「なんの事は無い」


 たった半年だが、精悍な大人になったと自分でも思う。体が一回り大きくなった。


「痩せ我慢がすぎるな。だが、これからの季節の方が危険だ。魔物達が動き出す。近くの街にしばらく住むか?」


「ここでいい。いや、ここがいい」


 彼の言った通り、多種多様の魔物が襲ってきた。


 雪狼の群れとの死闘は、たまたま老人が居合わせたので、なんとかなった。


「言ったろう」


「ははは」俺は笑うしかなかった。


 氷魔熊に襲われた時は、夜まで闘い続けた。厚い毛皮と脂肪の防御力に剣が通らず、背を見せられなかった。夜になり、眠くなったのか諦めて帰ってくれた。


「確かに、ここで生きていくのは力不足だ。困ったな」


 俺はいつものように訳のわからない書物を漁っていると、巧妙に隠された場所に、この島の詳細な地図と魔導書を発見した。


「これが……魔法か」


 俺は魔導書を読んでみたが、発動方法が書いていなかった。


 ここに住んでいたのは、上級魔術師の探索者のようだ。


「ティオスじいさんに聞こう」


 疲れ果てた体が睡眠を欲していた。俺はそのまま眠りに落ちた。



お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ