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投獄


 騎士団の宿舎に入るんだろうなと予測していた俺は、今、監獄の独房にいた。


 冤罪を訴えたが、通るわけがなかった。何故なら、彼女が俺を訴えたのだから。


「おい、飯の時間だ」看守が飯を運んできた。


「まあ、地獄送りらしいから、今のうちに食っとけ」


「生きてるのが辛い土地らしいからな」


「しかし、なかなか豪勢な料理だな。最後の晩餐ってやつか。王女様にお礼と恩赦の手紙でも送ったらどうだ?」


看守たちは談笑をしていたが、急に声が止むと、独房の扉が開いた。そこに、彼女が立っていた。


「悪いけど、二人にしてくれる?」


レイラ王女が警護兵に指示を出す。


反論しようとしていた警護兵だったが、しぶしぶ席を外した。


「ねえ、リドリー、お願いがあるんだけど」


彼女の話し方は、まるで子供の頃の二人に戻ったようだった。


「何だ?」


俺は身構えた。こういう時の彼女は、大抵悪いことを考えている。


「取引をしましょう。もし、あなたがこの国に二度と戻らないと誓うなら、釈放するわ」


「やだね」


「もちろん、今まで尽くしてくれたんだもの。手切れ金も渡すわよ」


「……やだね」俺は、精一杯の意地を張った。


「なんでよ! 一生後悔して生きるといいわ!」彼女は目論見が外れた事を、知ると立ち去っていった。


 だが、俺もすぐに、彼女の言葉が正しいことを知る事となった。

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