表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘つきレイラ 時をかける魔女と幼馴染の物語  作者: 織部
嘆きのレイラ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/251

レメニア王国 その9 盟約


「かあ様、ご無事ですか?」


 扉を勢いよく開けて、必死な顔でモルグ王子が入ってきた。


「ええ、この方が助けてくれたのよ」


 リラは、王子の肩に触れ気を失わせた。


 ばさり、と地面に崩れ落ちる。


「何を?」


「可愛い寝顔でしょ。交渉をしましょう。この子を次期王として、庇護し、この地を与えること」


「それは……」俺には判断できない。


「我は何もしていないぞ。悪魔とその仲間が勝つかなと思ったが、そうでもないようだしな」


「なぜ、王を見殺しに?」


「ふふふ、モルグが育ったからもういらないもの。衰えた者の汚れた魔力なんて。綺麗な魔力が手に入る。愛しい我が子」


 リラは微笑みながら、モルグの髪を撫でて、低い声で言った。


「魔女……」デグの放つその言葉に、誰もが少し息を呑んだ。


「こいつも、氷雪の魔女の加護を受けているではないか?」リドリーを指差す。


「交渉成立よ」その時、レイラが扉から現れて告げた。


「悪魔達を倒した勇者の次は、物分かりの良い女王様のご来訪なのね」


「レイラ様危険です」デグが驚いた顔をし、彼女の前に立つ。やはり、レイラの手の者だったか。


「レメリアには王国に従軍している第一王子が生きてるわ。どうするのかしら? 私は無駄な殺しはしないわよ」 


 リラは笑って尋ねた。


「彼には、他の土地を与えるか、王国貴族にしましょう。その代わり、この地は、いえ、貴方は、悪魔でなく、私達と組んでくれるのが条件よ」


 レイラは冷静に答えた。


「ははは、盟約か。面白い娘だ」


 リラは、モルグの剣で手を切り血をこぼした。レイラも同じようにした。二つ血が、地面を濡らすと、地面に、誓約の魔法陣が描かれ、立ち消えた。


「めでたい。我もここに縛られるのにも飽きた。一年後にまたこようぞ」リラの言葉に、誰もが少し驚いた。


 霧湖の魔女は、いつの間にか、いなくなっていた。


「痛くないか?」


 俺は、レイラの手をとり、治癒魔法をかけた。


お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ