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レメニア王国 その5 第二幕 開幕

 

デグの話はこうだ。盗みに入ったところ、王女と思われる子供が拘束されていた。


 不審に思い調査を進めているうちに、市民兵に見つかり、不審者として捕まったらしい。


「そうか……」

 俺は、やれやれと肩をすくめた。


 全く、暗殺者ギルドの連中は口が硬い。ティオスは何も語らず、デグは話すが、肝心な部分は言わない。


 心配なのは、彼女の元へ向かった王子と市民兵たちだ。

 元女王である彼女なら、すでに何か異変には気づいているだろう。ティアもまだ戻ってきていない。

問題があれば、必ず戻ってくる。


「いいだろう。付き合ってやる。その前に行くところがある」


 俺は王城の塔を駆け上がり、悪魔を殺した部屋に入った。


 リドリーが突き刺した剣が、そのまま残されている。


「まあ、俺くらいしか抜けないからな」


 剣は静かに床に突き刺さったまま、異様な存在感を放っていた。


 騎士団員たちが抜こうと試みたようだが、足元には何人もの靴跡が残されている。



 レイラは、宿に戻って、休憩をしていたら、立て続けに、何組かの来客があった。


 そこには、セオ王国騎士団長や、大臣達の深刻な姿があった。


 半日もかからない距離ではあるが、ドラゴンの目撃情報や、伝書鳥の方位の記録によって、急いで追ってきたのだろうか。


「全く、みんなストーカーね」彼女は呆れた顔で、彼らを見た。


「ストーカーとは?」


「……まあ、いいわ」


 意味を説明したら、彼女の信奉者達が傷つく。優しい彼女は、仕方なく、彼らが欲しいだろう質問をする。


「それで、どうしたの?」


「どうも、各地に悪魔の出没し、悪魔に洗脳された者達が、活動しております」


「それで、兄様はどうしろっていってるの?」


「それが、困った……どうしたら良いのかと、悩まれております……」大臣達は兄の使者なのだろう。


「セオ、お前まで、こんなとこ迄きて、兄様の護衛は?」


「はい、暗殺者ギルドと王女近衛隊で固めております。これから、軍はどのように動けば良いのか? ご指示を?」


「指揮権は、今の総帥である兄……」


 彼女は、最終決戦の為に、様々な指揮権を最後迄移譲しなかった。その為の弊害が出ている。


 レイラとしても、これからの世界がどうなっていくか、知らない。今迄のような預言者では無いのだ。


「わかったわ。リドリーと相談してみるわ」


 彼は、私よりも本質を掴むのに長けている。私は、彼に全幅の信頼を持っている。


 終わったはずのゲームに、裏ボスや裏ダンジョンがある。ゲームなら嬉しいかもしれないが、やっとクリアしたばかりだ。


ハネムーンが、半日で終わるなんて……


「あーあ」


 宿から、ふと外を観ると、ティアが、上空を旋回している。


 こちらに、新たな集団が大挙してこちらに向かってきている。ティアは警戒しているらしい。


「大丈夫よ、セオ達が来ているから。何かあったら、助けてね」


 この隣国である小国から、第二幕が始まるのだろうか。


お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

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