表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/228

レメニア王国 その2 城内


 俺は城内に足を踏み入れた。中は、湖から這い上がってきた魔物たちで溢れかえっている。


 水藻や苔で覆われた触手が蠢くスライムが無数におり、凶暴な牙を持つ大きな亀がうごめいていた。


「悪魔だな、どこにいる?」


 ロングソードを抜き、俺は廊下を進む。斬撃の一閃ごとに、テントクルスライムが倒れ、その死骸が床に転がる。


 大亀は、獲物を見つけたとばかりに、こちらを見て進行を防ぐように立ちはだかる。


 剣を振ると、大亀は甲羅をかばうように身を縮める。


「どりゃ」


 次の瞬間、俺は剣を水平に振り、甲羅ごと斬り裂いた。亀が一瞬うねりながら倒れ、重い音を立てて床に崩れ落ちる。


 剣はすでに魔物の血で血塗れだ。


 城の人々の姿は見えない。どうやら隠れているらしく、左右の扉はどれも固く閉ざされていた。


 俺が扉を叩くと、中から叩き返してくる。 


「もう、安全だ」


 そう告げて、異臭を辿りながら進む。迷路のような、城内の行き着く先は、城の塔の最上部だろう。


「止まれ! この先にはいかせん!」


 塔の入り口で、初めて人影を見かける。この国の近衛騎士団だ。


「話は後だ」


 俺は無視して防壁を突破し、階段を駆け上がる。


「待て! 悪魔の信者!」


 騎士たちが怒声を上げながら追ってくる。だが、振り返っている暇はない。


「急がねば……」


 魔力を全身に巡らせ、さらに速度を上げた。


 塔の最上部にたどり着き、扉を蹴破る。


 そこには、背中から斬られ、頭から倒れ込む王らしき男と、その前に立つ悪魔の姿があった。


「逃がさんぞ」


 俺は迷うことなく悪魔に迫り、一瞬でその息の根を止める。悪魔は黒い塵となり、跡形もなく消え去った。


 王のもとに駆け寄る。どうやらまだ息があるようだ。


「大丈夫か?」


 そう声をかけた瞬間、背後に騎士団員たちの気配が迫ってくる。剣や槍を構えた彼らが、俺を囲むように進み出た。


「早く、治療を――」


 そう告げる間もなく、騎士団長らしき男が叫ぶ。


「国王暗殺者を殺せ!」


お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ