第一王女
レイラ視点。 レイラの憂鬱をこちらにまとめました。既読の方すいません。
「何の用かしら、レイラ」
彼女の周りに、反体制派が集まっているらしい。中には、悪魔の手先がいることも考えられる。
「お姉様、大事な話があります」
姉は、顔面蒼白だった。無理難題を言われても、頼りの父は対応出来ない。
「私は、何もしてないわ」
「安心して下さい。知ってます」
ただの象徴だ。彼女は何もしていない。そして、今まで彼女が生き延びた事は無かった。
「私は、どこにも行かないわ」
姉の手は震えている。私の権力を知っているからだ。
「それは困ります。結婚の為、遠方に行ってもらいます。同行を許すのは、メイドのみです」
姉は、崩れ落ち、泣き崩れた。
姉の執事が、ずっと、私を睨んでいた。日に焼けた肌が印象的な男。彼は、がくりと、首を垂れた。
意地悪は、これくらいにしよう。だって羨ましかったのだ。
「嫁ぎ先は、シシルナ島の次期島主です。
まあ、相手が、うんと言わなければ他を探しますが、どうしますか、執事さん?」
覇権国家の次期国王候補になった姉が、一都市国家に嫁ぐ事は難しい。
誰にも言えなかったのだろう。引き裂かれるから。
過去のループの中で、執事だった彼が、姉の死にどれくらい悲しみ、王国を恨んでいたか知っていた。狂戦士となり、王国と対立していた。
「ありがとう。レイラ姫」
「貴方に、女海賊を説得出来ますか? 姉様は高いですよ。やってもらう事があります」私はずるく後から条件をつけた。
「ああ、母さんには、頼んでみるよ。アエラ、頼む、結婚してくれ!」
シシルナ島の女は強いが、息子には甘い、大丈夫だろう。
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