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旅立ち 番外編

 ティアは咆哮し、海辺の海水を凍らせた。新たな魔物は、現れなくなった。


 くたくたになりながら、俺たちは別荘に戻る。

「少し、腹が減ったな」いい匂いがする。


 別荘の庭では、メイドと執事が夕食の準備を整えていた。


「あれ? レイラは?」


「大丈夫だ。まあ、飲め。感謝する」


 席に座らされると、執事が邪魔をしないように、服を綺麗に整えてくれる。


 最初は知り合いたちが酒を注ぎにきていた。


「ありがとう」


「疑って悪かった」


 一段落した頃、騎士団の精鋭たちが現れ、さらに王女近衛隊の隊員たちが囲んでくる。


 全員が、歓迎とも、威圧とも取れる態度で「次は私が」と酒を注ぎにきた。


「是非、剣の指南役に!」


「魔物討伐団長に!」


 酒の強い俺も、さすがに倒れそうになる。


「何匹倒した?」騎士団長が尋ねてきた。


「いや……わからん。」途中から戦いに夢中になりすぎて、数えるのをやめていた。


「俺たちは、全員で四百匹」


「何だって!」悪くない討伐数だ。負けたかもしれない。


「まあ、今回は引き分けにしてやろう。しばらく、王女様にも休みが必要だろうからな」


 俺は、お前ら、悪魔倒してないじゃん、と口に出すのを必死に抑えた。あれは、氷の島で鍛錬しないと倒せない。


 その時、第二王子が席を立ち、いきなり扉を開けた。


 そこには、白いベールとドレスに着替えたレイラが立っていた。美しかった。


「今日は、お前たちの婚約祝いだ」



「リドリー、起きて!」


 俺は、寝ぼけ眼をゆっくり開けた。どうやら潰されたらしい。まだ薄暗い早朝だ。


「あ、レイラ、本物か?」


「静かに! 馬鹿なこと言ってないで、逃げるわよ!」


 皆が寝静まる中、俺はレイラを抱きしめて、全力でティアに飛び乗った。


「あ!」俺は、わざとティアについている金の足環を壊した。 

「さて、次こそ、氷の島に」


「ええ」俺たちはうなずいた。


 ティアの羽の中に、伝書鳥が隠れていたが……


 王都に別れを告げ、最果ての島に向かって、俺たちは出発した。 




 自由を求めて


お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。


裏エピソードの、レイラの憂鬱。


新作 シシルナ島物語もよろしくお願い申し上げます。

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