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嘘つきレイラ 時をかける魔女と幼馴染の物語  作者: 織部
嘆きのレイラ

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123/251

カテドラル

「さてと、最初はどこだっけ?」

「ヴォルノグラード聖教会のカテドラルです。東方聖教会の本山ですよ」ナッシュが地図を見ながら説明する。

「立派なもんだな」


 この帝国の帝都で最も壮麗な建物だ。遠くからでもベルタワーと、ドームの頂点に掲げられた、横に二本の東方十字が見える。

「あやつらが、わしの教会を乗っ取ったのよ!」突然現れたノクスが憤りをあらわにする。

「暴れるなよ。約束だからな」

「ああ、わかっておる」

「ルクスにもどんなものか、見せてあげたいです、ルクス様」ナッシュとナナが懇願すると、途端に声色が変わる。


 ナッシュとナナも、服の下から、碇十字と呼ばれる西方聖教会の十字架を取り出して握りしめている。


「わかった。同じ信者。仲間からの希望叶えねば、わしが傲慢すぎるな。改宗することなかれ」


 ノクスは頷いて気配を消したが、俺は、知らぬ間に、西方聖教会の信者が増えていることに驚いた。ルクスのいないところで、ナッシュ兄妹の本音を訊いてみないと。


 せっかくだからと、俺たちはカテドラルの中に入ることにした。

「入り口はどこだ?」

 中央にはひときわ大きなドームがそびえ、その周囲を金、白、青、赤の小さなドームが回廊で繋いでいる。裏手には、美しく整えられた庭園も広がっていた。

「わあぁ……」どの部分も塗り直され、鮮やかに輝いている。

 

 信者の流れに従い、アーチ型の門をくぐった。ちょうど礼拝の時間が近いのか、大勢の人々が集まっている。

 燭献箱に金を入れ、老婆から蝋燭を受け取る。金額は決まっていないらしい。

 俺はポケットにあったドラゴニア金貨を投げ込んだ。

 

 老婆は値踏みするようにじろりと俺たちを見つめたが、無言で蝋燭を渡し、手で追い払うように合図をした。

「不審者だと思われましたね」ナッシュが笑う。

 王国の冒険者に変装してきたが、それでも怪しまれたか。

「止まれ! お前たち、何者だ?」突如、警備員に囲まれた。


 俺は懐から冒険者ギルドのギルドカードを取り出し、見せる。昔、レイラに発行してもらったものだ。

「こんな高位のギルドカード、本当にお前のものか?」

 警備員たちは興味深そうにカードを回しながら確かめ合っている。

「文句あるのか?」

「いや、悪いな。こんな高位の冒険者のカードを見るのは初めてでな」

 警備長が慌てて部下からカードを取り上げ、俺に返却してきた。

「……そうか」

 俺は初めてじっくりと自分のカードを見つめた。ゴールドカードだ。


――冒険者ギルドカード――

名前: リドリー  

ランク: S

種族: 人間  

所属: ヴァルターク王国騎士団      

称号: 大陸の守護者           

得意武器: 剣              

功績: 王国の危機を何度も救う      

危険度: 極めて高い(敵対すれば国家レベルの脅威)

ギルド特記事項:

•高額依頼のみ受注可能 

•指定されたギルドでのみ依頼許可

彼らの視線には、怯えが混じっていた。


お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

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