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シークスクール  作者: Ari
5/7

非日常

朝起きる。支度する。登校する。席に着く。

ここまではいつもの日常。ここから先、違うのは拓真や美乃里が話しかけてこないことだ。

こんな時は読書をしよう。本は…持ってきてないし国語の教科書でも読むか。

うーんわからん。もういいや


「あなたって教科書読めるのね」

俺に話しかけてきたのは篠原だ。篠原と話すのは何度目かになるが教室で話すのは始めてだ。というか教室で会話しているところを1度も見た事ないような…

「読んでねーよ、広げてるだけだ」

「そう、賢そうに見えないけど実は勉強できるタイプかと思ってたわ」

いや、たまにいるけど…

「なぁ、篠原はなんで俺がアイツら2人に避けられるようになったか分かるか?」

「なんとなくはわかるけど、薬師川さんと男の方は誰?」

「拓真…神田拓真だ。分かるなら教えてくれよ」

「教えないわよ。考えなさい。」

「俺考えるの苦手なんだよねー。国語とかでも心情読み取りあるけど毎回落としてるわ」

「どちらかと言うと道徳だけど…そろそろ朝の会が始まるし席に戻るわ」

篠原と結構話したな。

当たりを見渡すと拓真と美乃里は2人で何か話していた。今拓真と目が合ったような…


朝の会が始まる。いつもと同じだ。

「今日は連絡事項があるぞ。再来週の土曜日ここら辺の地域で釣り大会がある。2人1組のペアで出場だから友達でも彼女でも連れてでてみろ。弁当とお茶貰えるらしいし青春の思い出になるぞ〜」

あー、拓真とでたかったな。釣り結構好きなんだけどな。決めた!大会までに仲直りする



拓真がキレる時は2パターン

1、ボコボコに殴る。これでキレないやつはいないね。

2、誰かのために怒る。まぁ99%こっちだろうな。

そしておそらく俺は何らかの形で美乃里を傷つけた。それがおそらく美乃里が俺を避ける原因だ。

2人とギクシャクするようになったのは借り物競争が終わってからだ。うーんわからん


そこから2、3日は拓真とも美乃里とも会話せず篠原や他のクラスメイトと話していた。


そろそろまずい、このままだと卒業まで何も起こらない。相談したいけど相談相手がいない。

答えを知ってるってらしい篠原に相談するか…


「篠原、少しいいか?」

「別にいいわよ。2人のこと?」

「察しがいいな。2人が俺をどうして避けてるのかわかってんだろ。」

「おそらくね」

「やっぱり教えてくれないんだろ。せめてヒントはくれ」

「薬師川さんの気持ちを読み解くことが今回は大事ね。」

俺を避けるようになった原因、まさか俺のことが好きで篠原に取られたと思って嫉妬してんのか?流石にないか…大きく息を吐き、ため息を着く

「どうしたの?」

「くだらないこと考えてた」

篠原はキョトンとした顔をしていたがすぐに何かに気づいたように手を打つ

「それよそれ!そのくだらないって考えが正解よ」

「え?俺のこと美乃里が好きってこと?それはないだろ」

「全然あるわよ。今までのこと思い出してみなさい」

こちらに好意を抱いている感じは全くしないな…

「俺たしか拓真には別に篠原のこと好きじゃないって伝えた気がするんだけどな」

「聞いてなかったんじゃない?」

そうなのかな?放課後に1連の話をして拓真謝ってみるか。別に俺悪くないけど

「相談のってくれてありがとうな。篠原結構良い奴だな」お礼を言ってその場を後にし席に戻る。


放課後メールで人通りの少ない2号棟に拓真を呼び出した。

「拓真…実は俺篠原のこと別に好きじゃないんだ」

え?という声が拓真の後ろから聞こえてきた。

「それは前に聞いた。俺が怒ってたのは別の事だったんだけどそれはお門違いだったようだ。」

今度は俺の後ろからえ?という声が聞こえてきた。2号棟呪われてんのか?

「快星、俺はあの件については悪いとは思っていないが殴ったことは悪かった。俺に殴り返してもいいぞ」

「殴りはしないけど、何に怒ってたんだ?」

「それは言うつもりはない、自分で気づいた方がいい」拓真はもう怒っていないのか?これは仲直りなのか?

俺が困惑していると拓真が口を開く

「一緒に帰るか」

「おう」

「その前に盗み聞きしてる奴を捕まえるか」

その瞬間2方向から階段を駆け降りる音が聞こえてくる。

「俺はあっちをおう、拓真はあっちな」全力疾走で追いかけるが既にどこかへ行ってしまったようで見当たらない。まぁ篠原と美乃里だろうな。

というかあそこで拓真が俺の話さえぎってくれなかったら、今頃俺は美乃里が俺の事好き説について語ってたのか。寒気がするぜ


「快星、そっちはどうだ」

「逃げられたわ。さすがにきついな。」

「まぁ一人は今下駄箱にいるだろうな。」拓真も美乃里だと思ってんな。てか手に持ってるの美乃里のカバンについてるぬいぐるみやんけ。

なんか笑えてきたな俺が笑いだすと、それを見て拓真も笑い出す。

「なんで急に笑いだしてんだよw」

「知らねぇよ。なんか笑えるんだよw」


下駄箱に行くと美乃里立っていた。

「どうした顔赤いぞ?」拓真が言うと美乃里が焦る

「今日ちょっと暑いからね。そんなことより2人とも早く帰ろ」

ここで美乃里の痛恨のミスに気づく

「あれれおっかしいぞー、どうして喧嘩してた俺たちふたりが急に一緒に行動してても驚かないの?変じゃなーい?」

「そ、それは空気読んだのよ。」

「あれぇれおっかしいぃぞー、2号棟でこんなぬいぐるみ拾ったよぉ?誰のかなぁ?」なんか拓真のモノマネぎこちなくてゾッとするな。

「あーもう、そうよ、あたしが盗み聞きしてたのよ。悪かったわね」

そんな日常を3人でひとしきり笑った。



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