表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シークスクール  作者: Ari
4/7

体育祭その3

「ちょっと聞いてる?」

どうしてか分からないが拓真にはほぼ絶縁宣言されたし、美乃里には避けられている。俺何かしたかな。

「ねぇ聞いてる?ねぇ」

体育祭が終わったらちゃんと仲直りしたいな

「ねぇ!」

「あーもう!うるさい」

あー理解しないようにしてたけどやっぱり篠原か…熱量があるやつの方が良かったんだけどな。篠原は多分…

「二人三脚もう始まるよ。1で真ん中、2で繋がってない方の足ね」

「お、おう、篠原って意外とこういうの全力でやるんだな」

前言撤回俺よりやる気に満ち溢れてる。MVP取られそうで怖い。

「あたりまえよ。私どんなことでも誰にも負けたくないもの」

負けたくないか、そうだ。今は仲直り以前にMVPをとることに集中しろ、退学になったら仲直りとか関係なくなる。

「俺も負けたくない。絶対勝つぞ」


スタート地点にたつといやでも周りの声が聞こえる。


「おい、みんな見ろよ。借り物でイチャついてた2人、二人三脚でも一緒だよ」

「篠原さん彼氏いたんかよ。告っとけばよかったー」

「あの男誰だっけ?日高だっけ?」

「日高くん結構かっこいいかも」


最後の子以外はくたばれ。でもまぁ他人から見たらカップルだよな俺ら…篠原はどう思ってんのかな

「なぁ篠原…」

「しっ、集中して始まるわよ」

「おう」今は試合に集中だな


「よーいドン」

「「1.2.1.2.1.2.1.2…」」

最高のスタートをきれた。周りとはそこそこ差をつけれたな。つか二人三脚で300メートルとか長くね?普通50ぐらいじゃないん?

「だいぶ、いいスタートをきれたわ。このまま何があっても集中を切らさないでね。」

「当たり前だ」

よっぽどのことがない限り、集中が切れることは無い。そう思っているとよっぽどのことが起こる。

目の前には今にも泣き出しそうな顔をした美乃里がたっていた。

「美乃里ー」ペースを乱す

「バカ、1.2.1。キャー」足がズレてしまい転倒する。幸い篠原は無傷だ。

しかし…俺は足をくじいてしまった。繋がっていない方の足を…

「大丈夫?」

「俺は平気だ。そっちこそ平気?ごめん集中するよ。」

「平気、まだ差はあるから焦らないで1.2」

「1.2」

2のタイミングでコケてしまう。

「ごめん、ペース下げてもらえる」

「…平気なの?」

「少し痛めただけだ。ごめんな迷惑ばっかかけて」

「あと100メートルちょいは片足飛びで自分のペースで行きなさい。あわせるわ」

「ありがとう」そこから先1歩1歩片足飛びで進んで行ったが、先程までのようなペースでは走れず、1人また1人と抜かされていった。ゴールした時は8ペア中6位かなり絶望的な順位だ。

「ごめんな。俺のせいでこんな順位になっちゃって」

「順位より今は肩を貸すから医務室まで行くわよ」

「いいよそこまでは片足でも行けるさ」

「私は引く気がないから遠慮するだけ時間の無駄よ」こいつ変わってるやつかと思ったら根が優しいタイプか…第一印象あてになんねぇーな

「ありがとう」


目が覚めると見知らぬ天井だ。

そういえば医務室に来てベットに寝かせられてそのまま寝ちゃったっけ?記憶が曖昧だ。

とりあえず起き上がるか。

「快星、大丈夫?」美乃里か…見るたんびに泣きそうな顔をしているな。

「大丈夫、まだ少し痛むけどな」

「それじゃあ、あたし行くから」美乃里は立ち上がってドアの方に進んでいく

「なぁ、2人はなんで俺を避けるようになったんだ…」

「別に私はそういう訳じゃない。拓真からの伝言よ。『考えろ』って言ってたわ」考えろって俺が馬鹿なのは知ってるだろ。考えても分からないんだよ。頭がいいのに馬鹿のこと理解出来てねぇーのかよ。拓真こそ少し考えろ。

「あっそ、じゃあもう行っていいよ」バタンとドアが閉まりその後走って遠くに行く音が聞こえてきた。

「あーあ、なんか楽しいこと考えよ。んーおっぱい、ちんこ、うんこ」下ネタは心を落ち着かせるのにちょうどいいアホみたいな気分になれる。1種の麻薬だ

「あなた恥ずかしくないの?」

今後ろから声が聞こえたような…ドアの方には誰もいない。アレ反対側確認したっけ?恐る恐る反対をむくと篠原がいた。

「ん?なんのこと?そんなことよりここまで運んでくれてありがとう!」

「あなた今…」

「ありがとう」

「し…」

「ありがとう」

「わかったわよ。そんなことより日高くんはあの女の子のことが好きなの?」

「いやまったく、あっちも多分好きじゃないぞ。というかあの女の子とか言ってるけどあいつクラスメイトの薬師川 美乃里な」

「私、人の名前覚えるの苦手なのよ。」

「人に興味がないんじゃなくて?」

「そうかもね。でもそんな私でもあの子の気持ちはわかるわ。」

「あっそ、俺は分からないね」

「分かろうとしてないじゃない。考えてみなさいよ。」分かろうとしてないか、人の気持ちなんて考えてわかるものじゃないだろ。

「私ももう行くわ。閉会式があるもの。あなたはそこで寝てなさい」


閉会式が始まったか、放送が聞こえてくる。

「優勝は黄色チームでーす、MVPはもちろん黄色チームからでました。みんな誰だと思う?ダダダダダダダダジャン、小松原くんでーす。おめでとうございまーす。続いては校長先生のおはなしでーす。面白いといいね」

体育祭もいよいよ終わりかMVPも取れないし大事な友達も2人失った。やらないほうが良かったな。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ