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私の猫ですか?

初めての猫との生活。

 今、一緒に住んでいる猫は、我々家族と同居を許された最初の猫である。


 その前に世話をしたハイエナ(猫である)のこともあり、猫を迎えることにますます消極的になった。金銭的な面もあるがそれ以上に、「情」の問題が厄介だ。心配事も増えるし、可愛いばかりではない気持ちに振り回されるのが嫌だった。

 しかし、妹の知人の家に子猫(保護猫)がいて、その中の1匹がハイエナに似ていると妹が貰ってきた。私はハイエナの容姿が気に入っていたわけではない。気の毒で情けはかけていたが好みじゃない。

 しかし妹はハイエナに似た三毛猫を貰ってきた。

 三毛猫ではあるが、白い毛は足先と腹と顎に少しあるだけで、全体的に見ればサビ猫に見える。三毛猫ならもっと白い毛の部分が表に出ればいいのに、目立たないお腹側だけが白いとは残念だと思った。



 子どもの時から、私は動物を飼うことを望んでこなかかった。自ら飼ったのは小学生から大学時代でハムスター3匹である。その反対に、母と妹たちは色々手を出した。

 私がハムスターを飼えば、母と妹たちもハムスターを飼い始めた。世話がおろそかになりがちな3人のハムスターが気の毒になり、ついでに掃除などをするちに私が世話係になってしまった。メダカや金魚の管理、五月蠅い鈴虫の世話、大っ嫌いなインコの鳥籠の掃除、ペット用ビスケットばかり求めるウサギなど。



 連れてこられた三毛猫は、当然だがハイエナとは全く違う。

 三毛猫はニアという平凡な名前に収まった。そして、とても気難しい猫だ。

 もちろん家族はニアと打ち解けようと努めた。人慣れはしている猫だったが、身体的接触をとにかく嫌う。遊びに誘ったり抱いたり、撫でたり猫可愛がった結果、私以外はニアに嫌われてしまった。ニアは逃げはしないが、避けているのが分かる。「あんまり近寄らないでよ!触らないでよ」と家族に苛立っている事が多い。

 案の定、ニアの世話は私に集約されて行った。

 ご飯をくれて、掃除もして、要求に応じて少し遊んでやり、気分を害するようなお触りもしないし、無遠慮に距離をつめようとしない私は早い段階でニアに気に入られた。



 数年前の春、祖母の一周忌の法要の時、集まった親戚たちで北海道へ行こうという話になった。

 親戚たちのほとんどは高齢者で、旅行会社の団体旅行はトイレの問題や足腰の問題で躊躇するという。

 親戚縁者で20人以上集まると、ツアーを組んでくれると地元の旅行会社が言うので話は進み、その年の夏、親戚一行大北海道ツアーが行われることとなった。



 もちろん行きたい!北海道にはまだ行ったことがない。

 昭和の脱獄王に興味があったので、ぜひ網走監獄を尋ねてみたいが問題は猫である。

 1泊くらいなら猫も留守番は出来ていた。だが、家族全員で三泊四日は難しい。

 ペットホテルに預けるにも、ペットホテルまで行くのに半日かかる。ハイエナなら狩りをして生計を立てられたが、生まれながらの飼い猫には無理そうだ。

 猫とは言え、2~3歳児程度の知能はあるのだ。それならばなおさら置いてはいけない。一人置かれたら絶望するかもしれない。五月蠅いだけの鈴虫なら放置するけれど。

 思案の結果、私は北海道行を辞退した。猫を連れてきた妹が辞退しないからだ。

 そもそも、ニアは妹の猫だったのではないか?

 私の猫ではない気もするが・・・。



 母は何度も私に北海道に行くように勧めたが、私は頑なに辞退した。

「猫なんて外に出しとけばカエルでも取って食べるよ」と、母は乱暴な言い方をした。

 なおさらダメだ。カエルみたいなどこで何喰ってるか分かんないものを食わせるわけにはいかない。

 ハイエナは元々そうして生活を営んでいたが、ニアはそうではない。

 カエルを食った結果、腹に変な虫がいついて駆除するとなると、医療費が膨れてしまう。

 前から思っていたが、母は乱暴な思考をする。


 その母は出発の数日前になって知人から鈴虫を貰ってきて、旅行中の管理を私に依頼した。

 母は鈴虫が好きであるが、風流人ではない。

 私は鈴虫の匂いが苦手だ。

 母も戻ってから鈴虫を飼えばいいのに、何故、留守にすると分かっていながら飼い始めるのか。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さま 嫌だと言いつつ 猫の世話 お疲れさまです。 [気になる点] いやいや、おかあさまも、妹さんも、失礼ですがダメですよ。 野生動物にエサはやらない。 飼うのなら最後まで面倒を見る。…
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