処刑されちゃうの?
誰かに「首を洗って待っていろ」とでも言われたのか、夢の中の私は首を念入りに洗っていた。
夢の内容は、私が何かをしでかしてしまい、ギロチンか斧かどちらかで処刑されるという事が決定していた。驚くことに、私はそれをすんなり受け入れているようで、素直に首を洗っているという訳である。
「尋ねることが多い奴」と言われることが多い私は、「何で?」「どうして?」とすぐ口にしてしまい、子供の頃から、「何でって言うな!」と教師にも言われることが多かったのに、処刑をすんなり受け入れているとは、夢とは言え驚きである。それとも、首を洗うシーンの前に散々、言い合いがあってのこの場面なのか?
生か死かの場面で、特に反抗もなく、諦めの境地なのか分からないが取り乱すこともしないで、桶の水を使ってせっせと首を洗う。
夢と分かっていて夢を見ることは時々ある。
今回の夢も、途中から夢じゃないかしら~?という気持ちになってきた。
「首を洗っている私」の他に、「夢だな」と思っている私がいる。
「だから落ち着いているのかしら?でも、なんで処刑の理由を聞かないわけ?夢なのに従順なのよ。」そんな夢の中の自分を案じた。
ふと、その一方で、夢の中で私が処刑されたら、この私の意識はどうなるの?まさか死んじゃうの?という、なんとも都市伝説的な思考がわいてきた。
(処刑されたら夢から覚めるんじゃないの?)
(でも、もし夢で死んで現実でも死んでたら困る。困るから目覚めなきゃ。早く覚めて!)と念じて意識を浮上させるイメージで、「目覚めよ」と瞼に働きかけた。
夢と分かってみていたくせに、目覚めと同時に動悸がしていた。
夢と分かってみている夢はほぼ悪夢である。
いい夢だった記憶はない。
夢と分かっていても続きを望まない展開があって、「夢なんだから覚めて!」と念じて、瞼をあげようと動かない肉体と格闘して、力が入ったまま目覚める。経験のある運動と緊張で起こるドキドキと違う。自分の想定内で起こる動悸とは異なるものだ。
どうせ、夢と分かってみている夢ならば、早くに目が覚めさせようと奮闘してもいいのに、ヤバい展開が始まってから、「これ以上は見ちゃいけないよ。覚めろ!」と念じ始める。テレビで怖い映画を見ている時に、お化けが迫ってきそうになる雰囲気でテレビを消すのと似ている。
悪夢から逃れるように、意識に働きかけて目覚めることができるなら、その応用は出来ないものか。
例えば、目覚めさせずに映画のように、見目麗しいハリウッド俳優登場とか、途中から恋愛物のような展開に変えられないものだろうか。そうなったら、「これは夢じゃない!」と必死に念じ続けるだろうに。緩みすぎた体を晒す展開になったとしても、相手に求められているんだと心から信じて身をゆだねましょうとも。絶対に夢じゃないんだと信じて。実際はそんな夢の一片も見やしないけれど・・・。
首は洗っていたが、処刑広場に行く途中で夢から脱出できた私は目覚めが悪いことには変わりない。
無理やり夢から引き戻した後は体が酷く疲れる。終日、鮮明な夢の内容に影響されて、なかなか調子が上がってこない。
今回は、首を洗っている自分の姿にかなり影響されてしまった。何で洗っていたのかとそればかりを考えていたら、クレジットカードの不正利用の被害にあっていたことが発覚。
(あんた、これから首を切られるから、回す首がなくなるね・・・)そういう意味だったの?
知らない所でお金を使われて、借金が膨らんでいては恐ろしいことになっていた。
ん~、目覚めた後で悪夢に引っ張られる思考も何とかならないものか・・・。
夢を自由に操作出来て、自分の思い通りにできたら・・・今以上に寝るのが楽しみになりますね。