やってます!
平日の夜、毎日15分間、英会話講座を聞いている。
まだまだ、心からの楽しみには至っていない。とにかく習慣化するという事に力を注いでいるのが現状。
最近覚えた楽しみで、騎士や貴族令嬢が登場する小説を読んでいるせいか、登場人物たちのかなり見目麗しい姿を想像するにあたり、知っている俳優などを当てはめたりして楽しんでいる。
まさか自分に10代の頃のような気持ちになることなど、思いもよらなかったが、確実に気分は前向きで、自分では肌のハリも良くなってるんじゃないかとさえ思っている。(あくまでも自己申告の個人的意見だが)
騎士やご令嬢が登場する異国の景色は、間違いなく西洋を私はイメージする。
フランスやイギリスあたりだ。北欧や東欧でもいいけれど、やはりイギリスとかフランスなんかがいい感じに想像しやすいのだ。
そうなると言語は英語かフランス語になるわけだ。ドイツ語もあるかもしれないが、私はドイツ語が苦手だ。かといって英語も得意ではないがドイツ語より耳慣れはしている。
脳内で再生される騎士や令嬢も英語を話す俳優という事になる。日本人をあててもいいが、どうも風格や騎士の鎧がしっくりこない。となると、イギリスやアメリカの俳優という事になる。
そういう理由もあって、漠然と英会話をやってみたいなと思っただけだ。
私がよく読んでいる小説の令嬢たちは、異国の地によく嫁にだされる話が多い。異国でなくてもそれなりの身分の騎士に愛され、その身分にふさわしくあろうと学びに励む。なんと美しき姿勢であろうか。
物語ではないが、歴史上の女性達の中で政略によって異国へ嫁いだ者は、どんな怠け者であっても語学は必修であったはず。今の私の気分は異国の貴族になっているもんだから、異国に放り込まれる令嬢という気分で、この春から英会話を始めることにした。
単に妄想に影響されただけで、大きな夢があるわけではないが、英会話をラジオで聞いてみることにした。
本来、英会話講師につけばいいのかもしれない。しかし住んでいる土地柄それは叶いそうにもない。
となると、ネット動画に頼る手もあるが、いかんせん私自身に語学力がないので、その言葉が真に正しいのか、相手に対しての敬意があるのかどうかなど判別できない。そうなると、確かなものはテレビやラジオの語学講座という事になる。
講座を始めて一か月。
何かを実践で試したことはない。いや、試すほど何か覚えたわけではない。
昔、覚えたことはすっかり忘れ去り、かといって今やったことも記憶にとどまらない。「昨夜の記憶がないわ」という状態。これが艶めかしい話なら呟いてみたい言葉だが単なる覚えが悪いだけ。
せめて、忘れないためにも、日常会話の中に習ったフレーズで置き換え可能な言葉は置き換えて声に出してみることにした。
人間相手では躊躇するので、愛猫に向かって英語のフレーズを呟いてみることにしたら、2つの言葉ばかりを繰り返していることに気が付く。
愛猫は散歩が好きだ。
散歩には私が同行する。
愛猫はすぐに気分が変わる。私のすぐ傍を並足でとっととと・・・と歩き続けることもあるが、いきなりダッシュをすることもある。そうかと思えば、土手に座り地面の一点を睨み続けて動かないこともある。
暖かくなると、地面で活動する動物がいるせいか、土手から動こうとしないことも多くなる。そんな時、
「What are you waiting for? 」
と、呼びかけてみる。もちろん愛猫はそんな呼びかけなど無視しているが。
こちらも忙しい時は、気長に愛猫の地面観察に付き合ってもいられないので、時には大きな声で呼びかけることもある。散々呼び掛けても無視する愛猫を抱きかかえて家に向かうこともしばしばだ。
日に数回は「What are you waiting for?」と大声を出す。田舎の田んぼのど真ん中で、人に聞かれないからいいが、果たして猫を相手に言って正しいのかは分からない。
愛猫の食事は一日二回である。
朝と夜、彼女は決まった時間に食事を催促する。食事の時間が早い方にずれる時は愛猫は大歓迎だが、数分でも遅れる方だと苛立ちを抑えない。
給仕係の足の甲や脛、アキレス腱のあたりを何度も噛む。早く用意しなくては、甘噛みの域を超えて本気噛みモードになる。そんな時は、
「I'm trying!」と、できるだ言わねばと思い、頑張っている。
給仕係のそんな言葉は一向に気にせず、愛猫は「What are you waiting for?」と、苛立ちを募らせ給仕係の足元を攻撃する。お陰様で「I'm trying!」はかなり、感情を込めたバージョンで言う事ができるようになったと思う。