第8話。 湖
眩しい朝日で目が覚める。
外で寝るなんて前世でキャンプをした時以来だ。
ダンジョンコアを入れた大樹は……特に変化はない。
こんなに時間がかかるんだっけな?
取りあえず、朝飯にしよう。
パンだけの簡易の朝飯を済ませ、昨日詮索しなかった方向に行ってみる。
30分ぐらい歩いた所に湖を見つけた。
水質はかなり良さそうに見える。
試しに一口飲んでみる。
大丈夫そうだ。
魚とかいるかな?
流石に釣竿とか持ってきてないからな。
何処かに木の枝でも落ちてないかな?
辺りを探すと、丁度良い枝が落ちていた。
強度は……大丈夫。
大丈夫どころか凄く硬い。なんでこんなに硬いんだ?
固すぎてしなりが全く無いけど大丈夫かな?
糸は……この蔓で代用するか。
軽く引っ張ってみても切れそうにない。
強く引っ張っても全く切れそうにない。
針は無いから蔓の先端を少し削る。硬い。
そこに餌をつける。これで釣れるだろうか?
湖で即席の釣竿の作り、釣りを始めた。
釣りは忍耐。忍耐。忍耐……
全く当たりが無い。
ぼーっと湖を見ていると、湖の中から何か出てきた。……岩?
水面をスーっと進んでいる?
ジーと見てると、岩の前方から顔が出てきた。
アイアンタートルだ。見た目は岩のようだが、鉄の強度を持つ甲羅。
珍しい。確かかなり希少な亀だったはずだ。
亀って食べれたかな?
俺の考えを読み取ったように、アイアンタートルがこっちを見て、美味しくありませんよって顔をしている。
なんでだ? 意志疎通が出来た気がする……
一度湖に潜ったアイアンタートルが魚を咥えて、戻ってきた。
「食べれる魚なのかな?」
「めっちゃ、うまいっすよ?」
「じゃあ、 ありがたく」
……無事食料をゲット出来た。
*アイアンタートルは喋れません。