第7話。ダンジョンコア
大樹を俺のダンジョンに決めた。
ダンジョンを作る時に必要な【ダンジョンコア】を大樹に押し付ける。
【ダンジョンコア】とは名前の通りダンジョンのコアだ。
これが壊れたり、破壊されたりすると、ダンジョンは崩壊する。
俺達、次期魔王達が自分のダンジョンを作る時のために、子供の頃から魔力を貯めていたものだ。
まあ、魔力の貯金箱みたいなもんだな。
大樹に押し付けられたダンジョンコアは、スッと大樹の中に入っていった。
……何もおきない。
俺は焦るが、子供の頃の勉強を思い出す。
ダンジョンコアが定着するまで時間がかかる。
そんな事をセバスチャンが言ってた気がする。
定着するまで待とう。
数時間すると、もう辺りはすっかり暗くなっていた。
大樹を見ようが、触ろうが、何も変わったところは見られない。
う~ん。今日中に定着するのは無理かな?
俺は大樹の下で、飯を食べた。
鍋に具材を突っ込んだだけの簡易鍋だ。
初級の魔法が使えるだけで、前世とは違いサバイバルは、ぐんっと楽になっている。
飲料程度の水魔法と着火程度の火魔法は使えるからな。
これまで、魔物や動物と遭遇する事はなかったが、気配は感じた。
この森にも生物がいる様だ。
俺はその日、大樹にもたれかけ、体重を預け眠りについた。