表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/54

第6話。親父(魔王)とセバスチャン(家庭教師兼元世話役)

「セバスチャンよ、もう行ったか?」


「はい。旦那様」


 12番目の子供ゲマからの一年の報告を受けた後、魔王は13番目の子供の家庭教師兼世話役のセバスチャンを玉座に呼び出していた。


「ゾーマももうそんな年齢か……これで子供たち全てが巣立った訳だ。そりゃ私も年を取る筈だな」


「まだまだお若いですよ。あと百年は魔王の座に就いて頂かないと」


「無理を言うな」


 笑いながら答える魔王。


「ところでセバスチャンよ。ゾーマは何処に転移させたのだ?」


「なるべく、人が居ない所に送りました」


「そうだな。いい判断だ。人間は魔族の事を敵対してるからな。

 下手に関わって勇者とかが出てきたらゾーマでは、まだまだ厳しいだろう」


「はい。その通りかと」


「それで?何処に転移させたのだ?

 南の島のママカイか?それとも北のホッカイか辺りか?」


「いえ、この大陸の真ん中にある【死の森】です」


「死の森!? いやいや、セバスチャンよ、いくらなんでも死の森は厳し過ぎるだろ。あそこで生きて行くのは勇者と戦う方がいくらかマシではないか?」


「可愛い子には、旅をさせろでございます旦那様」


「……セバスチャン」


「私欲を混ぜるのは、よくございませんのは承知してますが、私めは是非次代の魔王はゾーマ坊っちゃんになって頂きたく思ってますので」


「……ゾーマよ。頑張るのだぞ」


 何処か遠い目をした魔王の呟きは、嬉しそうな顔をしたセバスチャンにしか聞こえなかった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ