第45話。ムーン帰還
本格的に冬になる手前のある日、ムーンが帰って来た。
ムーン一人だけではなく、その他に三体のドラゴンが。
その光景をドラゴンの襲来と思いハイジが慌てた。
大丈夫。顔見知りだ。
「顔見知りだって、あんた。あれ月光龍じゃない!
竜王の娘よ!わかってるの?」
知ってるよ。
竜王の娘ならそこにも居るだろ。
ほら、そこでお昼寝してるだろ。
えっ!?
ラーちゃんが竜王の娘って知らなかった?
まあ、そういうことなんだ。
「ただいまー!」
「お帰り。遅かったな」
「寂しかったのー? しょーがないなー」
「はいはい。それで、そちらの三人は?」
「ああ、実家から連れて来ちゃった。駄目だった?」
「いや、構わないが」
三人共に龍の姿から、人間の姿に変身している。
「彼女はブリギッテ。私が生まれた時から世話をしてくれているの」
ブリギッテと紹介された年配の女性。
しかし、腰は曲がっておらず、キリッとしている。
優しそうながらも、厳しい一面もありそうな雰囲気だ。
「ご紹介に預かりましたブリギッテでごさいます」
綺麗なお辞儀だ。
「ブリギッテ!?」
急に後ろから大声が聞こえたので、振り返るとハイジが驚いた顔をしている。
知り合いかと思ったら違うらしい。
後でこっそり聞くと、とても有名なドラゴンらしい。
ブリギッテ単体で国を五つも、滅ぼしたそうだ。
「大昔の話でございます」
怒らさないでおこう。
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