第33話。 侵入者
デスビートルのレノンが、辺りの見回りから帰ってきた。
最近の日課だ。
あれから住み着き、デスビートルにも名付けした。
レノンは他のデスビートル達のリーダー的存在で、気づけば他のデスビートルもたくさん集まった。
みんな名前をつけて欲しがったが、無理だ。数が多すぎる。
帰ってきたデスビートルが器用に人文字ではなく、ビートル文字を書くように飛び回り俺に伝えてくる。
本日も問題なし。
うん。良かった。
ムーンが一度里帰りしている。
ここで暮らしてる報告と、荷物を持ってくるそうだ。
ある日の深夜。
いつも通り、ラーちゃんと子犬三匹と寝ていると気配がする。
しかし、メルでもハイエルフ達との気配とも違う。
誰かがダンジョンに侵入したようだ。
どうやって?
デスビートル達が見回りをしてるのはず。
あの数だから、気づかれず侵入は不可能なはずなのに。
「で、あんた何してるの?」
腕を組み俺をあきれたような、いや変態を見る顔でみる女。
「そっちの道に進んだ訳ね」
ちょっと待て、俺はただ寝てただけだぞ。
「ロリコン」
「違うわ!」
まだ変態を見る目で見てくる女。
子犬を見ると少し表情が変わる。
「で、ハイジはなんでここに居るんだ?」
ハイジ、セバスチャンの孫。
ひ孫だったかな?
原始の悪魔の血を濃く引く悪魔だ。
年齢も近かったので、子供の頃から知った仲良だ。
幼なじみってやつだな。
「ゲマのダンジョンが破壊されたから、一応あんたにも注意しに来てあげたのよ」
ゲマのダンジョンが破壊された!?