第31話。ムーン
「おかわり!」
我が物顔でおかわりを要求する、ラーちゃんの姉。
さっき俺にぶっ飛ばされたのにピンピンしている。
勢いよく戻って来たと思ったら、
また玄関の前で「いきなりぶっ飛ばすとか卑怯だぞ」なんて大声で叫ぶから食事中の三匹の子犬達が恐怖で震えた。
それをみたラーちゃんがお姉ちゃんを怒った。
ラーちゃんは三匹の子犬の姉になった気分なのだろう。
ラーちゃんの姉は、状況を理解出来てなく困っていたが、取りあえず謝罪し、メルの「取りあえず、みんなで食事しましょう」で助けられた。
ぶっ飛ばした俺にたいしても、怒りは消え今はみんなで食後のデザートを食べている。
「いや~さっきはごめんね。お姉さんちょっと勘違いしちゃった」
てへぺろって感じで謝罪される。
俺もさっきぶっ飛ばしたのでお互い様ということで、和解した。
「それにしても、こんな所にダンジョンがあったなんて知らなかったわ。お姉さん結構物知りのつもりだったのにな~」
「まあ、今日出来たところなんで」
「今日? あはは。そりゃ知らない訳だ」
爆笑している。
それを真似してラーちゃんも笑ってる。
「ごめん、ごめん。
改めまして、私は竜王一番目の娘ムーン。
妹のラーを、保護してくれてありがとう」
ラーちゃんも真似してぺこりと頭を下げる。