第29話。ダンジョン完成
大樹の木の下に淡い光を放った、緑色の林檎が落ちていた。
その隣には大樹の枝が落ちていた。
なんとなく、この林檎を食べなきゃいけない気がした。
食べることに抵抗はなかった。
緑色の林檎を一口噛ると、大樹に知識を与えられた。
この大樹の名前が『ユグドラシル』であること。
俺のダンジョンが完成したこと。
この大樹の枝で、俺のダンジョンマスター武器を作ること。
驚いた事に、大樹をダンジョンにしたつもりが、
この死の森が俺のダンジョンになった。
ただ現在は、大樹を中心とした半径5キロメートル程の範囲だが。
この範囲は俺のダンジョンであり、俺がダンジョンマスターだそうだ。
このダンジョン内では、俺のステータスが大幅に上昇する。
これは嬉しい。
その次の日。ある王国。
「デキストリン王! 大変です!
今朝13個目のダンジョンが出現したと報告がありました」
「なにっ!本当か。何かの間違えでは無いのかな?
12個目のダンジョンが出来て、まだ一年程しか経ってないぞ」
「間違いありません。今朝最高ランク冒険者チームから報告がありました」
「それで、場所は何処だ?」
「死の森です 」
「死の森!?」
王の周りの大臣達も驚く。
「出来れば、ダンジョンが出来たばかりで進化する前に討伐したいが……
討伐メンバーを集めることは可能か?」
「難しいかと……死の森に入るだけでも、隊長級じゃないと厳しいですし、そのダンジョンにアタックするとなると」
「そうか……一応、冒険者ギルドにも協力を要請しとけ」
「はい。承知しました」
やっとダンジョンが完成しました。