第2話。親父(魔王)の話
「坊っちゃん、旦那様のお話はなんだったのですか?」
俺の家庭教師兼世話役のセバスチャンが、親父(魔王)に呼ばれた俺に聞いて来た。
「ああ、なんでも俺も15歳になったし、そろそろ自分のダンジョンを
作ったらどうだっだってさ」
「そういえば、もう坊っちゃんもそんなお年頃でしたね」
先代の魔王、俺のじいちゃんの頃から魔王城に使えていたセバスチャンにとっては俺が産まれたのなんて昨日の事の様に感じてるみたいだ。
「坊っちゃん、ダンジョンの事は?」
「知ってるよ」
伊達にずっと帝王学(魔王学)を受けてきていない。
いくらスペア×(沢山)で、将来魔王になるつもりはないとはいえ、
しっかり勉強させられてきた。
「これは失礼。そういえば坊っちゃんかなり優秀でしたな」
全く悪びれる事なく、セバスチャンが笑う。
セバスチャンは俺の部下では無い。
いくら俺が魔王のせがれだとしても、俺の方が偉いとかそんな事は無い。
以前勘違いをした時は、それはもう酷い目にあった。
「坊っちゃん?」
「ああ、ちょっと考え事をしていた」
「ほう、もうダンジョンの構想を練っていらしたのですね。素晴らしいです」
ダンジョンと、言っても様々だ。
RPGに出てくる様なスタンダードの物(洞窟、搭など)もあれば、街や村などのタイプもある。
言ってしまえば自由だ。
つまり、そろそろ独り立ちしろと、お達しがあったわけだ。