第19話。 正体は?
ライトの魔法を使い、辺りを見渡す。
「駄目です!」
すぐにメルに手を押さえられ、ライトの魔法が消える。
「こんな暗闇の中で、ライトなんて使ったら格好の的です」
確かにそうだ。
身体能力向上の魔法を使い、視力と聴力をあげる。
視力をあげるといっても、俺の身体能力向上の魔法では、視力が3.0になるぐらいだが。
確実に何か居るが、どこに居るかわからない。
どんな魔物かもわからず、構えていると声をかけられた。
「おいっ! ここはお前達のものか?
怪我をしたくなければ、大人しくここを私達に差し出せ」
女の声がした。
魔物ではなく、盗賊だったか。
なんて考えていると、隣のメルが返答を返す。
「魔王様のご子息、偉大なゾーマ様に向かってお前だと!
出て来なさい、 その四肢を全て引っこ抜き、地面に平伏せさせ、生まれてきた事を後悔させてあげます」
ちょい、メルさん。
何言ってるの?
盗賊達はざわめきだす。
「魔王の息子?」
「ヤバイんじゃない?」
「ルル、大丈夫なの?」
複数のひそひそ話が終わると、四人の女が出てきた。
「お前、いや、貴方は魔王様の息子とか言ったな。
いえ、言いましたね」
どう話して良いのか迷ってるようだ。
「まあ、そうだな」
「証拠を見せて貰って良いだろうか?」
証拠なんて無いぞ。
どうしたもんかと思っておると。
「ゾーマ様はキングベアーを一撃で倒すお方なんですよ。
なんなら、貴方達も死にますか?」
ででん!と効果音の付きそうなメルさんのどや顔。
「ルル、あのキングベアーの死体そういえば一撃で死んでたよね」
「もしかして、本当に魔王の息子なんじゃない」
ルルと呼ばれる子がリーダーのようだ。
みんな青い顔になっていく。
「えへん!貴女達聞きなさい。
それにゾーマ様は、あの獰猛で鉄壁。
アイアンタートルすらすでに配下に置いてるのです」
アイアンタートルが獰猛?
「「「「申し訳ございませんでした」」」」
四人の女が俺の前で土下座した。
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