第16話。 メルの決意
本日2話目です
死の森?
聞き間違いだろうか?
「死の森?」
「はい」
間違いじゃないようだ。
死の森といえば、この世界のど真ん中に存在する森。
正式な名称があるみたいだが、この愛称がぴったり過ぎてほとんど全てに通じる。
子供が悪さをすると、「死の森に捨てるぞ!」と親が脅し、子供頃からの恐怖の象徴の場所だ。
「死の森?」
「はい、死の森です」
セバスチャンめ、なんて所に転移してくれてるんだぁぁぁ!!!
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
必死に動揺を隠す俺。
「ところであなたは……」
そういえば、まだ自己紹介してなかった。
「俺はゾーマ。 一応…… 魔王の息子だ」
「魔王の息子!? 」
「まあ、13番目だけどな」
自己紹介をするとメルは土下座の姿勢をしていた。
「えーと…… どうした?」
魔王一族と知り、更に恐縮したようだ。
俺自身、ずっと魔王城に籠ってたからこんな事初めてだ。
魔王城にいた使用人とか俺の事、敬って無かったし。
セバスチャンとか。
「あー、別に様とかいらないぞ。楽にいこう。うん。俺もそっちの方が楽だし」
「そんな訳にはいきません。ゾーマ様」
「大丈夫だって、なんせ13番目だぞ。残りカスだよ、残りカス」
自虐ネタ言ってみた盛り上げようとするが、メルにとっては違うようだ。
「残りカスなんてあり得ません。キングベアーを一撃で倒して、瀕死の私を一晩で全快にするなんて事が出来るのに」
いや、それはキングベアーが君に集中していたのと、めっちゃ高級のポーションのおかげだしな。
「こんな見ず知らずの私を助けてくれる、慈愛に溢れ、更に強大な力を持ったゾーマ様こそ次期魔王にふさわしいと思います」
興奮して、饒舌になっているメル。
メルさん、色々勘違いしてます。
「どうかこの私にも、ゾーマ様が魔王になるお手伝いをさせて下さいませ!」
……はっ?
読者の皆様へ】
「面白い!」
「続きが気になる!」
「作者がんばれ!」
と少しでも思って頂けましたら、広告下の☆を★にして頂けると作者の励みになります。ブックマークも歓迎です。