第15話。 迷惑な迷信
メルを助けた次の日。
なんとメルは全快していた。
鬼人族の特徴かと思ったけど、違うらしい。
ポーションは怪我を回復させただけだった筈だけど……
それにしても、林檎は旨かった。
林檎の種を植えてみよう。育つかな?
俺の服を着たメル。かなり大きめだけど仕方ない。
全快になったメルに何故あんな所に一人で居たのか聞いたところ、買い出しに人里に降りたところ、襲われ逃げてきたらしい。
普段は襲われることなんて、無いらしいが運悪く、王国騎士団が街に来ていたらしい。
「何か悪さでもしたのか?」
「いえ、私が鬼族ですので……」
鬼族は人間を食べるというのが一般的な認識らしい。
「食べるのか?」
「食べません! 誤解です」
どうやら鬼族は人間を食べないらしい。
なんでそんな誤解が広がってるのかと思ったら、昔に召喚された勇者の話した、物語のせいらしい。
それで、男の鬼は殲滅されているそうだ。
女の鬼も迫害を受けて、ひっそり暮らしているそうだ。
なんて迷惑な話だ。
「それにしても、よく逃げ切れたな。
途中でキングベアーに鉢合わせたとはいえ、王国騎士団から逃げるなんて」
「無我夢中で逃げ込みました。この死の森に」
……死の森?