第12話。 キングベアー
森の中に響く咆哮。
足音の正体はキングベアーだった。
キングベアーは体長8メートル程の巨体の熊の魔物だ。
先程の咆哮を上げているのをみると、何かと交戦中のようだ。
キングベアーか。
熊肉や毛皮欲しいな。
でも危険性を考えたらスルー案件か?
そんな事を考えていたら、キングベアーが獲物を仕留めたようだ。
大きく振り下ろした右の前足で獲物を切り裂いた。
子供?
キングベアーが仕留めた獲物は人間の子供に見えた。
俺は焦る。
あの子は死んだのか?
熊の獲物は血を流しながら、地面に倒れながらも、這って逃げようとしている。
良かった。死んではないようだ。
それでも、キングベアーは逃がすような事はしない。
両方の前足で子供を押さえつけ、口を大きく開け、涎を足らしながら子供を食べようとしていた。
俺は焦って【天性の才能】を発動させ、弓の形に具現化させキングベアーに向かって弓を放つ。
本当は、ライフルなどの方が良いのだろうが詳しい構造を知らない為、上手く具現化出来い。
俺はこの【天性の才能】を上手く活用するために、色々な物を子供の頃から観察してきた。
キングベアーに向かって放った矢は、キングベアーのこめかみに突き刺さる。
放ったのは魔力だ。
コントロールするのは普通の矢を放つより精密だ。
上手くキングベアーを倒せた。
子供は無事だろうか?
読者の皆様へ】
「面白い!」
「続きが気になる!」
「作者がんばれ!」
と少しでも思って頂けましたら、広告下の☆を★にして頂けると作者の励みになります。ブックマークも歓迎です。