第1話。魔王の13番目の子供
恐怖の象徴、魔王。
そんな魔王の13番目の子供として生まれた俺。
将来の魔王として育てられて来た。
まあ、スペア×12としてだが。
そんな俺だが、一つの秘密がある。
前世の記憶を引き継いで産まれて来たのだ。
最初は凄い喜んだものだ、知識チートを披露してやろうとか、俺に特別な能力があるんじゃないかとか。
結局7歳ぐらいになった所で気付いた。
俺はまあ、普通ですわ。
魔王の子供だから、基本スペックは高いが、上の兄姉達の方が断然凄かった。
そんな俺がとった行動とすれば、大人しくしている事だ。
上の方の兄姉達の派権に巻き込まれたくないとの思いだけだった。
もし、間違った派権に入ったら将来殺されるし。
もう死にたくないし
そんな俺も15歳になった。
長寿の魔族にとって15歳なんて、まだまだはな垂れ小僧だが。
そんなある日俺は父親に呼ばれた。
末っ子の俺は、他の兄姉よりも父親である魔王に可愛がられていた。
まあ、弟か妹が出来たら変わるだろうが。
「ゾーマよ。忙しいところ来てもらったのはお前に話があるからだ」
あっ、ちなみにゾーマは俺の名前だ。
ゾーマはファーストネームで、
ファミリーネームは歴代の魔王の名前をひたすら繋げたものだから、滅多に使わない。
そもそも正しく覚えてるか怪しいしな。