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877 湖に水柱とG事案?

 地球:202X年11月10日

 火星:1年6月2日


 昨日はパウラと寝た。いやぁ~可愛かったね。

 そして日課だ。午前中は温泉に入り、昼食後に少し食休みをしてから例のプライベートビーチのドアの中で、妻5人と過ごした。

 今日は千早から奏までの5人だ。もちろん少し昼寝してからドアを出た。


 今は14時頃、皆、出かける準備が出来た。僕はヒカリの姿だ。そして、僕含め全員がセーラー服。紺色の長袖……冬服ですな。

 作戦会議で何故か修学旅行生という事にしようとなった。

 ちなみにスカートの下には1分丈のオーバーパンツを履いている。盗撮等の対策以外に、戦闘時に走ったりしてもパンチラしないようにという理由もある。


「こ、光一?どうかな?」


 ぼたんに聞かれた。正直、可愛いが中身はオバサンなんだよなぁ。僕なんかオジサンだけどさ。


「正直、可愛いけど……」


「けど?なによ?」


「キッツい……」


(ドッ)


 僕は思いっきり腹を殴られ、壁を突き破って湖まで吹っ飛んだ。


(ジャッバーン)


 僕は湖を沈みながら思った。非常に腹と背中が痛い。防御結界仕事しろよぉ。あっ意識が……そう思うと意識を失った。



 ~紗也華の視点~


「キッツい……」


(ドッ)


 光一が!ぼたんに腹を殴られて吹っ飛んで行った。そして湖に水柱が立った。


「ちょっ!ぼ、ぼたん。気持ちは分かるけどやり過ぎよ!」


「あっうん。紗也華。つい怒りにまかせて思いっきりぶん殴ったら……やり過ぎたわ」


「あー、ねぇ?光一が浮いてこないわよ?」


「ブリタニア!光一が死んじゃう!」


「ナ、ナビィが助けてくるわ!」


「エイドもー!」


「2人共よろしくね」


「紗也華さん、了解よ。ナビィ達に任せて」


「あーあ。派手にやったわね。レストランの壁に大穴が空いたじゃないの。ぼたんさん?」


「な、何かしらイブ?」


「反省」


「は、はい。反省しています。でも私も悪いけど光一が……!」


「反省」


「は、はいぃ」


「でもこれで1つ分かったじゃない」


「ん?ブリタニア何が?」


「紗也華、防御結界が役に立たないという事がよ」


「あーそうね。あっ!天使の2人が光一を陸に上げたわ!魔法で引っ張り出したみたいね」


「ウィンドウが報告します。光一さんの心臓はけいれんし、心室細動になっています」


「アクアオーラも確認したわ。マズイわね」


「ぼーたーんー?」


「は、はいっ!紗也華さん、本当に申し訳ありませんでした!」


「ぼたんさんは10月9日にも光一さん殺人未遂事件を起こしているわ。首を締めた事件ね」


「今度こそ警察に突き出した方が良いんじゃないかな?」


「そうね、紗也華。それが良いかもしれないわ」


「まつりもブリタニアさんと同感!」


「お、お願いだから皆、許して」


「あっ!ナビィさんの救命活動により、光一さんの心臓は正常な状態に戻り、意識を取り戻したわ」


「おー!良かった。ウィンドウ報告ありがとう!」


「紗也華さん、どういたしまして」


「そうだ!ぼたんは一生、女島で全裸生活してもらうのはどうかな?」


「そ、そんな!紗也華!数十年後には私1人だけになって、永遠に1人でいたら気が狂うわ!」


「それじゃ無期懲役?」


「刑務所でも同じよ!永遠に刑務所生活なんて酷いわ!」


「……はぁはぁ。紗也華、僕が悪かったんだ。だからあまり、ぼたんをイジメないであげて」


「あっ!光一、おかえり~!無事で良かった。あなた死にかけたのよ?良いの?しかも2回目!」


「良いの、良いの。うわっ!ぼたん?」


 あっ!ぼたんが光一に抱きついた。羨ましい!


「うわぁぁ~ん!光一ありがとう!うぇーーん」


 ぼたんが泣き止むまで光一は、ぼたんの頭をなでた。羨ましいぃ!

 泣き止むのに5分かかった。その間にナビィはレストランの壁に空いた大穴を直していった。


「光一、私、本当は怖かったの。永遠に無人島や刑務所で生活する事になるのかと思って。ごめんなさい」


「怖かったね。もう大丈夫だよ。僕の方こそ悪かった。でも正直、痛かったよ」


「光一!ぼたんに甘すぎる!」


「紗也華、違うよ。今回は僕のせい。それに甘いのは妻全員に対してだよ。僕からは1つだけ。ぼたん?」


「なに?」


「頼むから2度としないでね。死んじゃうから。特に子どもには絶対にダメだよ?」


「もちろんよ!反省した!もう2度としないから許して!」


「許すよ」


 まったく光一は困った夫だわ!



 ~光一の視点~


「それにしても光一、服は濡れていないしキレイね?」


「うん、ブリタニア。魔法で乾かしたり、破れた所とかを直したからね」


「相変わらず器用ね。それで?あなたも来るの?」


「ブリタニア、ごめんなさい。許してください。だから意地悪しないでください」


「そうじゃないの。私は許したわよ。でもその泣いた顔で来るの?」


「分かった。僕がどうにかするからね。クリーン。ヒール。うん!これで良いでしょう?」


「本当に光一は器用ね」


「光一、ありがとう」


「良いんだよ。それじゃ行こうか」


「光一さん、計画通り現地に大和王国のバスが停車中よ。カーテンをしているから、外から見られる心配はないわ。ゲートで車内に移動しましょう」


「了解。イブよろしくね」


「分かったわ。ゲート」


 僕たちは順番にイブの転移魔法のゲートをくぐりバスの車内に移動した。

 バスに移動したらドアから外に出た。するとすぐに同じ制服を着た子が4人来た。護衛の子だ。


「ヒカリ様、本日はよろしくお願い致します」


「様付けは目立つからなしでお願い。今日はよろしくね」


「承知しました。護衛は我々Gチーム4人の他にSチーム16人おります。私服です。Gチームは近距離で護衛します。Sチームは遠距離から護衛します。偵察部隊です」


 確か「Guardガード」の頭文字でGチーム。「Scoutスカウト」の頭文字でSチームだったな。護衛部隊と偵察部隊。

 僕たちはスカートが短いけど、護衛の4人のスカートは長い。スカートの中に拳銃があるとか。

 護衛の子と会話している間にも続々とバスから妻が出てくる。


「うん。計画通りだね。偵察部隊含め皆、予定通りに不審人物を発見しても個別で対応しないように」


「はい。ご安心ください。イブお母さんから徹底するように指示がありましたから。予定通りに対応します」


「うん。よろしくね」


「ヒカリさん、全員バスから降りたわ。行きましょう」


「イブ、了解」


「それではご案内します。こちらへどうぞ」


 僕たちは護衛ちゃんの案内でショップに向かう。はぁ緊張して来た。

 何がって?そりゃショップに入る事に決まっているでしょ?



 ランジェリーショップに5店舗行った。流石は渋丘。下着だけでも色々と店があるんですね。疲れたぁ。

 皆、それぞれの店で楽しそうに、キャッキャしながら選んで買っていたよ。というか選ばされたよ。

 悪いけど5店舗行く必要あったの?よく分からないけど、色々と種類があった。

 はぁ……僕、主に精神的にかなり疲れたぁ。あっちなみに荷物は毎回、トイレ等でアイテムボックスにしまったよ。


「さて、皆。帰りましょうか」


「今日は無事に帰れそうで良かったよ」


 非常に疲れたけど。


「ヒカリ、それフラグ」


「や、やだなー紗也華。怖い事を言わないでよ」


「ヒカリさん!Sチームから連絡よ!剣道着に日本刀を差している痩せた中年男性が我々の方に向かって歩いているみたいだわ!」


「……そりゃ不審者だけどさ。模造刀じゃないの?」


「いえ、エテルノの各種センサーで確認したところ、本物の刀よ」


「はぁ……超面倒だけど行きますか」


「こっちよ」


 僕たちは小走りで向かった。そして人が集まっている場所に到着した。すると……。


(ドドォーン)


 爆発音と激しい揺れが僕たちを襲った。


「え?なになに?地震?」


 集まっている内の1人がそんな事を言っているがそんな訳がない。

 僕たちは2階にいるが、下の階から爆発音が聞こえた。


「イブ!」


「Sチームに状況確認を指示。Dチームには不審人物の確認を指示したわ!全員、現時点の記憶をバックアップ完了!」


 護衛の2人が恐らくテレポートを使った。


「ヒカリさん、ヤバイよ。ナビィ、悪魔と邪神の臭い匂いがする」


「エイドも。これ超ヤバい。あっ!人の魂が食われてる!」


「何があったか知らないが関係ねぇ!やってやる!」


「「「「「キャァーッ!」」」」」


「大和王国国防軍だ!武器を捨てて投降……(ザシュッ)」


「アルファ!貴様ァ!(ザシュッ)」


「「「「「キャーッ!」」」」」


「イブ、こっちを見て!」


 ローラではなく、ぼたんの声が聞こえて思わず僕も振り向いた。

 ぼたんだ。17歳に若返り身体のラインはローラも、ぼたんも変わらない。当然だ。身体のラインが変わったら下着を買えない。


「爆発がありG事案。ゲリラ事案の可能性を考慮!大統領の権限で大和王国国防軍に治安出動を要請します。オールウェポンズフリー!警視庁にはSATを要請するように!良い?スペシャルアサルトチーム。特殊急襲部隊よ!以上!」


「承知しました!」


「ありがとう」


 ぼたんはそう言うとローラの姿に戻った。

 再度、犯人の方を振り向くと死体の山が出来ていた。はい?短時間でこんなに?


「ヒカリさん!ナビィの分析が完了したわ!重体となった人の魂を邪神が食べているの。だから亡くなるまでが早い。ヒカリさん気を付けて!」


「悪魔じゃなくて邪神が?」


「そう!悪魔より邪神の力の方が上回っているわ。悪魔は目の前の刀から臭うけど、邪神は近くにいない!」


「うっそーん」


 刀についた血をペロペロしていた犯人と目が合った。もちろん犯人がペロペロしていたのは刃の部分じゃないよ?


「お前たちもやってやるぜぇ!」


「ハイパーエクソシズム!そしてスリープ!」


『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ……』


 刀から断末魔の叫びが聞こえるのと、犯人が眠り倒れるのは同時だった。


「ヒカリさん、悪魔の魂は破壊されて、臭いも消えたわ!」


「そっか。それは良かっ……(ターンッ)」


 えっ?右胸を撃たれた……?い、痛い。でも貫通しなくて良かった。妻に当たる恐れがあるからね。

 でも今回は誰も庇ってないよ?あー邪神か。だから攻撃が効いたのか。


「ヒカリッ!」


 あー紗也華の声だ。


「前方に国防軍を展開!要人を護衛すると共に威嚇射撃!」


(ターンッ)


「隊員1名死亡!弾道から発射地点を特定!敵発見!距離……」


 あれ……?耳が遠くなって行く。


「ひゅー。ひゅー。ブリタ…ニア。ゲホゲホッ……」


 あぁ、吐血した。呼吸が苦しい。肺に穴が空いているかも。


「光一!イブ、私と紗也華は光一を連れて撤退するわ!」


「マズイ!光一さんの魂が食べられてる!急いで!」


「行くわよ紗也華!」


「うん!」


 あっ景色が変わった。業務用プライベートエリアの床だ。

 そう思うと同時に意識を失った。



 ~紗也華の視点~


「生命神さん!」


「はいはい。今度こそマズイよ。魂の3分の1を失っている」


「そんな……光一は助かるの?」


「ブリタニアさん。助けるのが僕の仕事だよ。悪いけど少し集中させて」


「分かったわ。1つだけごめんなさい。手を握っても良い?」


「良いよ。握ってあげて」


「私は右手を握るわ。紗也華は左手を握って」


「うん。ありがとう」


「不幸中の幸いだよ。肺に穴が空いたけど致命的ではないから。心臓だったらヤバかった。心臓でもすぐなら治せなくもないけど、色々と大変なんだよねっと。とりあえず弾丸を摘出。しっかしショッピングセンターでスナイパーライフルとは趣味が悪いね」


「どういう意味?」


「あー、ブリタニアさん。気を悪くしたらゴメン」


「そうじゃないの。純粋な疑問」


「いやね?人の多いショッピングセンターでさ?スナイパーライフルなんて、持ち歩くだけでも目立つし使いにくいよ。アサルトライフルとかサブマシンガンの方が場所に合っている。犯人は戦闘ではなく、狩りを楽しんでいるんじゃないかなーと思ってね」


「なにそれ!許せない!あっ話しかけてごめんなさい」


「ん?あーブリタニアさん、大丈夫だよ。致命的ではないから話す余裕はある。よし!肺の治療は完了!魂は……完了しているね」


「え?もう終わったの?」


「うん。紗也華さん。実は昨夜、君たちが寝ている間に魂のバックアップを取らせてもらったんだ。害はないから大丈夫。僕の神力を消費するんだけど、地球神さんに分けてもらったから平気だよ。後は光一くんにこの薬を注射させてもらって」


「な、何を注射したの?」


「紗也華さん、安心して。しばらく細胞の増殖速度を上げる薬だよ。悪いけど光一くんには邪神を倒してもらわないとだから」


「そんな……地球の神じゃダメなの?」


「うーん。別にダメじゃないんだけどね。ここで戻らないと負けたみたいで嫌じゃない?」


「勝ち負けなんてどうでも良いわ!光一の生命の方が重要よ!」


「光一くんが本気を出せば銃弾に当たらないはずだし、当たっても心臓と頭以外ならすぐに回復するよ」


「そうだとしても!」


「邪神は元地球の外交担当かもしれないんだ。アイツは光一くんに復讐したい。それが成功するなんて気分悪いんだよ」


「またアイツなの?」


「紗也華さん、多分だけどね」


「あっウィンドウ。どうしたの?」


「紗也華さん!邪神は元地球の外交担当よ!私、悔しい!光一さん戻れないかな?」


「えぇっ?詳しく聞かせて」

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