42 帰還と異変
1年5月22日
横須賀に帰ってきた。
なんだか「やっと帰ってきたー」という気持ちでいっぱいだ。
首都である東京に地下鉄で帰る。
ブリタニア、ナビィ、エイド、ゼオライトも一緒だ。
ブリタニアは少し疲れているような顔というかそんな気がする。
まぁ僕もなんだけどやっぱり船旅も疲れるよな。
王城に着いた。いやぁ今回は色々とあって疲れたわ。
とりあえず国民に報告しないとな。今は昼だから丁度いい時間だ。
簡単にだがその後、何があったかを報告した。
次はリーベ王国の大使館に行かないとな。
リーベ王国の特命全権大使であるシルヴァンさんに会う。
「お疲れ様でした。凄かったですね。技術力、軍事力の差を見せつけられました。我が国も頑張らなければと国王陛下と話していたところです」
「そうですか。今回はですね。リア王国から横須賀に来て残った3隻の帆船をリーベ王国さんにお譲りしようかと思い参りました」
「本当ですか!我が国としては助かります。おいくらですか?」
「いえいえ、いつもお世話になっているのでタダでお譲りしますよ。後日、部下にリーベ王国さんの港まで運ばせます」
「そこまでしていただけるんですか。とても助かります。大和王国さんに何か困ったことがあれば我が国は全力で支援することをお約束します」
「ありがとうございます。もし何か困ったことがありましたらご相談させていただきますのでよろしくお願いします」
「はい。分かりました」
「それでは今回はこの辺で失礼いたします」
次は…良いや。疲れたし今日は休んでブリタニアと仲良く過ごそう。
家族サービスも大事です。
1年5月23日
次の日の13時。城の会議室にいる。
会議室にいるメンバーはブリタニア、ナビィ、エイド、ゼオライト、アイオライトの計6名。
話す内容は同じく軍事作戦についてだ。
「前回の軍事作戦により関東地方は制圧し我々の領土と出来た。しかし、我が国にはこれだけの未開地がある」
「はい」
「そこで今回は僕とブリタニア、ナビィ、エイドで大和海側まで壁を作るので200万人の軍勢で北を制圧していってもらいたい」
「はっ!承知しました!」
「今回も装備はP-90で念の為250万丁をアイテムボックスに入れておく。弾倉も豊富に入れておくのでそれを使ってもらいたい。もし不足するようなことがあれば連絡してくれ」
「承知しました!魔物を倒し必ずや制圧してみせます!」
「よし、頼んだ。それでは解散!」
壁の建設は今日から始める。日が暮れるまでに出来るだけやろう。
壁の建設予定地までは魔法で飛んでいく。魔法ってホント便利だよなぁ。
日が暮れてきてそろそろ帰ろうかなと皆で話し合っている時に異変が起きた。
急に爆風のような壁に叩きつけられるようなそんな「ドンッ」という衝撃を受け口から血を吐いた。
結婚指輪として指に付けていた「身代わりの指輪」が壊れている。
1回だけ死などの不幸を防ぐ御守で効果を発揮すると壊れる指輪だ。
つまり僕はこれを付けてなければ死んでいた…?
そう考えた途端にゾッとして鳥肌が立った。
「コウイチ!…大丈夫?」
「な、なんとか。ブリタニアは何ともないか?」
「私は何か違和感を覚えただけで何ともないわ」
「マスター。これはまずいかもしれません…」
「ナ、ナビィ何がまずい?」
「まず、マスターの結婚指輪である『身代わりの指輪』が壊れている点がマズイです。ブリタニアさん至急マスターに『身代わりの指輪』を渡して付けてもらってください」
「わ、わかったわ」
「ありがとう。ブリタニア」
「次に私はこれでもこの世界の天使だから分かりますが。今、魔力による衝撃波。魔法の振動で『魔震』と呼びますね。魔震があった事を確認しました。マスターは魔力量が多いので死に至るような強い影響を受けたのだと思われます」
「魔震って地震みたいな自然災害なのか?」
「いえ、自然災害ではありません。こんな事はこの世界でも恐らく初めての事だと思います。人工的なものの可能性もあります」
「人工的に起こすことは可能なのか?」
「いえ、普通ではありえません。詳しくは神界で話しましょう。魔震の影響で魔物がスタンピードを起こす可能性があります!」
「分かった。一旦、ゲートで城に戻ろう。魔物の状況は偵察用ドローンで確認出来るだろう」
「そうですね」
「マ、マスター」
「どうしたナビィ」
「オーエス大陸の偵察用ドローンが全機応答しません」
「なに!?市街地に落ちたりとかは…」
「それはありません。人に見つからないように市街地の外で活動していたので。全機の最終地点はGPSで記録されていますので回収できると思います。それより問題なことがあります」
「な、なに?」
「我が国の各地でもそうですがアーシア大陸でもスタンピードの兆候を確認しました」
「分かった。北の制圧作戦は壁を建設してからという話だから、まだ出兵していないはずだ。ナビィはゼオライトにスタンピードに備えるように伝えてくれ!僕は冒険者ギルドとリーベ王国の大使館に向かう」
「待って!リーベ王国の大使館には私が向かうわ。その方が早く伝えられるでしょう」
「そうだな。ブリタニア頼んだ」
「まかせて」
僕は急いで冒険者ギルドの受付に向かう。
受付の担当者が僕のことを知らない可能性も考えた。
空間投影で顔を流しているから分かると思うんだけど念の為だ。
「僕は大和王国の国王だ。冒険者ギルドのギルドカードも見せるから疑わないでほしい」
「こ、国王陛下!?もちろん存じております。そんなに慌ててどうされましたか?」
「アーシア大陸の各地でスタンピードの兆候を確認した!オーエス大陸でも起こるかもしれない!」
「大和王国国王のコウイチ・タカナシの名前で全ギルド支部にその事を伝えてほしい。もし起こらなかったとしても僕が笑われるだけだ。本当に起こって多数の犠牲者が出るよりマシだろう?」
「は、はい!分かりました!そのようにさせていただきます。冒険者ギルドとしても早期に動けるのは助かります。お気遣い感謝します」
「それでは頼んだ」
王城に向かう。
「リーベ王国の大使館にいる特命全権大使に伝えたわ。私の名前でお父様に伝えてもらえるはずよ」
「ありがとう」
「ナビィもゼオライトさんに伝えました!ゼオライトさんいわく『壁は城壁のような作りで頑丈だし上を通路として歩けるから対処が楽だ!放っておいても魔物は壁を突破できまい。もちろん200万人の兵で徹底的に魔物を倒す!あちらさんから向かってくるなら、魔物を探しに行く手間が省けて間引けるから丁度いい』だそうです」
「ははは…さすが防衛大臣。助かるよ」
「マスター!天界に行きましょう!あ、ブリタニアさんも一緒に来ます?」
「え?私も行けるの?」
「もちろんです。マスターのお嫁さんですから特別です」
「お嫁さん…特別」
ブリタニアさんなんか照れている。かわいい…っと今はそんな時じゃない。
「では皆で天界に行こう」
「「「はい」」」





