02 創造神様の説明 1(マップ画像付き)
創造神様に話を聞いてほしいと言われたのでお茶を飲みながら話を聞くことにした。それにしてもこのお茶は美味いなぁ。
「そうじゃのぉ…どこから話そうかの?まずはワシの世界について話すとしよう。ワシの世界は君の住んでいる世界を参考に創った。世界地図を見てもらえば分かると思うが地球とほぼ同じじゃよ」
そう言って創造神様はどこからともなく一枚の紙を取り出してちゃぶ台の上に広げた。
ふむふむどれどれ……って、え、何これ?地球と比べ大陸に大きな湖が増えてたり砂漠地帯が殆ど無かったり、例えば黄海が無かったり、島がいくつか無かったりと地形が若干異なるのは分かる。ここまではほぼ同じと言えるだろう。
しかし日本だけ形はほぼそのまま横長にオーストラリア大陸並のサイズになっているのはおかしいだろっ!面積約20倍だろこれ!
「うん?どうかしたかの?」
「…いや、あのぉ地球で言う日本列島が横長にオーストラリア大陸並になっているんですが」
「あーそれか!日本は資源が少ないし土地が狭く大規模農業も出来ないからバランスが悪いと思ってな。世界全体のバランス調整をしていく内にその大きさになったんじゃよ!」
日本は東アジア最大の島国(国の面積ランキング61位)だったのに異世界では地球の国の面積ランキングトップ10に入る程の大陸になってた。
…えぇ。
「バランス調整の一環で行ったことをまとめるとこんな感じじゃな」
・核兵器を開発できないようにいくつかの元素を廃止
・ミスリルやアダマンタイト、オリハルコン、魔素を追加
・プラスチックなどの汚染物質を浄化するスライムやプランクトンを追加
・光合成を強化したことで植物の成長速度が早く、二酸化炭素の問題も解決
・人類は人間、エルフ、ドワーフ、獣人の4種族
・禁則事項はあるが魔法が使用可能。禁則事項に抵触する場合は魔法が発動しない仕様
禁則事項の例としては暗殺や核爆発などの極めて危険な魔法や神界のルールに反するもの
・魔法には権限レベルが存在する。人類の権限レベルの上限はLv3
人間は主にLv0~Lv3、エルフはLv1~Lv3、ドワーフはLv0~Lv3、獣人はLv0~Lv2
人間は生まれつきLv0~Lv2。Lv1が多く、Lv1以上の者は努力すればLv1上がる
エルフは魔法が得意。生まれつきLv2の者が多い。同じく努力すればLvアップ可能
ドワーフは魔法が苦手だが手先が器用。生まれつきLv1の者が多い。Lv1なら同じく努力次第
獣人は魔法が苦手だが身体能力が高い。生まれつきLv0の者が多い。Lv1なら同じく努力次第
・ダンジョンを追加。ダンジョンの魔物やボスを倒すと魔石やアイテムをドロップ。ダンジョンから地上へ魔物が溢れてくる事はない
・地上で魔物がスポーンすることはないが、人類を除く動物が魔素の影響で魔物化することはある。魔物は動物と同じように繁殖する
「なるほど…そこら辺の詳しい仕様をメモしておきたいんですが筆記用具あります?」
「ワシの世界に来てくれるならガイドブック的なものを渡すから大丈夫じゃよ」
「ありがとうございます。助かります」
「ここまでワシの世界について話してきてようやく本題に入りたいと思うんじゃが…求人メールの内容は覚えておるかの?」
「はい、都市開発シミュレーションゲームのテストプレイですよね?」
「そうじゃ、ちゃぶ台の上に広げた地図に人が住んでいるエリアの情報を表示しよう」
えぇ…何これ?地球で言うオーストラリア大陸とユーラシア大陸の北緯45度、東経105度…つまり中華人民共和国の沿岸から中心程しか人が住んでいないんだけど?
「君も気付いた通り人類の住むエリアが非常に狭いんじゃよ。しかも文明レベルも低い。かろうじて地球で言うオーストラリア大陸の国々は大砲と火縄銃があるがその程度でしかない。魔法が便利すぎたのかこの状態で500年以上止まってしまっているからテコ入れしようと思って今回、地球から人を送り込み建国してもらうことにしたんじゃよ」
「いやでも私、確かに都市開発系のゲームは好きですけど経済学や法学などの知識はないですし、お役に立てるとは思えないんですが…なぜ今回、私が選ばれたんでしょうか?」
「後で説明するが知識については心配いらんよ。選んだ理由については地球の神と協議して以下の条件になったんじゃ」
・成人で就労や通学していない無職の者
・異世界に興味のある者
・最先端技術についてそれなりの知識がある者
・危険な思想なく真面目であり柔軟な思考の出来る者
・事前に説明し必ず本人の同意を得ること
「この条件で探したところ君が選ばれたんじゃよ…ニートから探すかと心配したが杞憂だったの。
君は現在無職で異世界に興味がある。国家資格の情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験に合格しているし、真面目でありSEとしての経験もある。まさかこれほど条件に合う者がいるとは…知識については君にチートを授けるし、サポート役の天使を一人付けるから問題なかろう」
「ありがとうございます!まさか神様からそう言ってもらえるとは嬉しい限りです!もちろん依頼を受けます!」