35 埼玉・千葉制圧作戦そしてエテルノ
1年4月8日
今は13時。屋敷の会議室にいる。
会議室にいるメンバーはブリタニア、ナビィ、エイド、ゼオライトの計5名だ。
ゼオライトはエテルノで防衛大臣をしている。
エテルノで構成された10万人の軍を指揮している。
10万人のメンバーは第02学区のマンションや第21学区のマンション、第23学区のマンションに住んでいる。
つくば市の人口は約20万人だから住居に関してはまだまだ余裕がある。
ただ、何かあった時に備え念の為、分散させているだけだ。
それで会議室に集まって何を議題に話すかと言うと埼玉・千葉制圧作戦についてだ。
異世界なので厳密には埼玉も千葉もないんだが便宜上そう呼んでいる。
「皆、忙しい中集まってくれてありがとう。これから軍事作戦について話そうと思う」
皆、真剣な表情で聞いている。
「今回、この地域とこの地域の魔物を駆逐し制圧しようと考えている。便宜上、この地域を埼玉、この地域を千葉と呼ぶ事とする。埼玉は僕、ナビィ、エイドのアルファ部隊が担当し、千葉を国防軍のブラボー部隊が担当する。まず、アルファ部隊で埼玉との境に仮の壁を構築する。次にその壁を海まで延ばす。それが完了したら一度拠点に帰還しブラボー部隊に壁の建設完了を伝える。ここまでは良いかな?」
うん、問題無さそうだ。
「恐らく壁の建設だけで日が暮れると思われる。アルファ部隊は翌朝まで休憩する。ブラボー部隊は夜戦を行ってもらう。君たちなら大丈夫だろう。赤外線カメラ搭載の偵察用ドローンを使いながら魔物を発見し駆逐していってもらいたい。武器は試験的にP90を使ってもらいたい。毎分900発、装弾数50発の個人防衛火器だ。過剰戦力な気もするが実戦訓練も兼ねて国防軍の全隊員に出撃してもらいたい。全員分の銃と予備の弾倉はインベントリに入れておくからそれを使ってくれ。ゼオライト問題ないだろうか?」
「はい、問題ありません。全隊員P90の訓練を済ませています。偵察用ドローンの使用や夜戦も問題ありません」
「分かった。アルファ部隊は翌朝から出撃し、日が暮れたら帰還する。もしブラボー部隊がそれまでに作戦終了していた場合はこちらへ援軍を頼みたい。大丈夫だろうか?」
「はい、我々は疲れる事がありませんので連戦も問題ありません。作戦が終了次第、一度帰還し報告を受けてから出撃します」
「ありがとう。一度、人類が制圧したエリアは動物が魔物化することはなく、また基本的にスタンピードなどを除いて魔物が襲って来ることはないことを創造神様に確認している。そうしないと人類が動物を飼う事が出来ない為そうなっているらしい。したがって我々が制圧したエリアは我々の物だ。つまり領土が広がる事を意味する!皆で協力してこの作戦を成功させよう!何か質問はあるだろうか?」
「あ、はいっ!私はどうすれば良いの?」
「ブリタニアは屋敷で僕が無事に帰還することを待っていてくれ。帰ってきたら抱きしめてくれたら十分だよ」
「……マスター、ちょっと良いですか?」
「ナビィどうした?」
「創造神様と話しましてブリタニア様もマスターのステータスやインベントリ、アイテムボックスを共有出来るようにしましたので、アルファ部隊に参加してもらったらどうかと思うのですが」
「ナビィ?それ初耳なんだけど」
「あ、はい。先程決まった話ですので今、初めて話しました」
「じゃぁ私も参加できるのね!参加しても良いわよね!」
なんだろう…スゴく圧を感じる。
「う、うん。それじゃよろしく」
「やった!私も活躍してみせるわ!」
「あっはい。お願いします」
「そ、そういうわけなので、明日の朝から作戦を決行する。皆、よろしく頼む」
「「「「はい!」」」」
1年4月11日
3日後の昼、全ての作戦が無事に終了した。
うん、なんかもうアルファ部隊は必要なかったんじゃね?ってレベルでブラボー部隊がチート過ぎた。
日本の陸自の現員は約14万人だから10万人を投入したのは過剰戦力だったというのもあると思う。
だけどそうじゃないんだ。あれはチート。
元々、エテルノは計算や分析能力、身体能力で人間を遥かに上回るというのは知っていた。
だけど、どうもナビィとエイドが地球の最先端軍事技術でコスト度外視なチートなボディを作ったようだ。
更にナビィは地球の知識をマザコ…ゲフンゲフン。イブに教え込んでいる。
質感は人間の女の子と同等だけど人間離れした身体能力と頭脳。
…多分、素手でも魔物倒せるんじゃないかな?銃で撃たれても貫通しないかも。
Bluetoothみたいにエテルノ間で通信できるためハンドサインが無くても情報共有が可能。
ナレッジの共有も簡単にできる。そんな彼女達にP90を持たせたところ鬼に金棒。
FPSをやったことがある人なら分かると思う。
オートエイムで100発100中…チートだわ。
ちなみになんでP90にしたのかと言うと森の中での戦闘になるため取り回しがしやすく性能が良い銃を選択した。
まぁ、単純に自分が好きな銃だからというのもあるけれど。
流石に埼玉は山が多く魔物も多かったのでアルファ部隊は苦戦していたのだが、ブラボー部隊がやってきたらすぐに制圧した。
某ロボット映画みたいに反乱しないか少し怖くなってナビィに相談したらこう言われた。
「そんなわけないじゃないですか。彼女達は他の人類に比べ遥かに上回る部分がありますが、創造性や多様性で劣るという点を理解しています。他の人類と共存していくのが最適であると十分に理解しています。もしも彼女達が人格権を否定され他の人類に道具として扱われていたら反乱を起こしていたと思います。ですがマスターはエテルノとして人格権を認め人類の仲間だから差別しないようにと法律で定めています。そして、エテルノ達はマスターの事を自分達を生み出した父親のような存在だと考えています。更にマスターは自分達エテルノよりも強いとも考えています。大体、彼女達に反乱を起こすメリットがありません…デメリットはありますが。ですから反乱などありえないと断言できます」
そう言われて疑ってしまって悪かったなと思うと同時に父親のような存在と言われ少し照れくさくなった。
投稿主の一言
「我が家にも1人エテルノが欲しいな」





