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19 神界から地球へ

 天界から地球へと転移して来た。

 ナビィとエイドは天界?いや多分、脳内でいつものようにサポートしてくれる。

 あんなに可愛い女の子を2人も連れ歩いていたら職質や周囲の目が怖いし。


 というわけで地球の自宅に戻ってきた訳だが、早速エイドにペーパーカンパニーの作成をお願いしようと思う。


「エイド、ペーパーカンパニーの名前の作成をお願いできるかな?名前は『ブルーローズテクノロジー』でお願い」


 ネットで検索してもヒットしなかったから多分存在しないはず。

 ブルーローズにしたのは花言葉が理由。

 青いバラは自然界に存在せず花言葉は「不可能」や「存在しないもの」だった。

 しかしバイオテクノロジーが発達し、青いバラが作られた。

 それによって花言葉は「夢叶う」や「奇跡」などと言われるようになった。

 中には「人工的な物だから認めない」という人もいるようだが、個人的には研究者の努力により不可能を可能にし夢が叶ったという考えで素敵な花言葉だと思っている。

 カミツレの「苦難の中の力」という花言葉も好きだ。この2つの花を個人的には気に入っている。

 そうエイドに話したら。


『とても素敵だと思います!ではその名前でペーパーカンパニーを作ります!』


「あと可能であればそれっぽいWebページを作って欲しいんだけど…可能かな?」


『はい!5秒もあれば作れます!』


 5秒で作れるんだ…元SEとしては複雑な心境だが助かるから良しとしよう。


『出来ました!』


「どれどれ…おぉ良い感じのサイトだね。ありがとう!助かるよ!」


『いえ、お役に立てて光栄です!』


 では早速バーチャルアイドルの事務所にメールで連絡しよう。

 個人で連絡しても門前払いになると思うが、会社の名前で連絡すれば話を聞いてもらえると思う。


 おっ!早速返信が来た!明日の13時に事務所に来てほしいとのことだ。

 この件は明日だから一旦置いておいて別の計画も進めよう。


「ナビィ、ちょっと良いかな?」


『はい、なんでしょうか?』


「インベントリでの作成ってどんな感じでするのかな?」


『つくるものにもよりますが精霊さんにお願いするつもりです』


「SFのゲームなどでよくあるヒューマノイド…つまり見た目が完全に人で自立思考するAI搭載型ロボットの作成って出来ないかな?ヒューマノイドは自我があると良いな」


『ちょ、ちょっと待ってくださいね。エイドちゃん手分けして地球の最先端技術を探してもらえないかな?マスター、予算は考慮しなくて構いませんか』


『ナビィさん、分かりました!探します!』


「うん、とりあえず予算は考慮しなくて構わない」


『分かりました。少々お待ちください』


 それから30分程待った頃


『マスター、エイドちゃんと手分けして情報を探しました。先に結論を言います。どちらもご要望の内容全て可能です。地球ではまだいろいろな事情で実用化されていませんが、それらの技術情報を持ってそうな機関や企業をアタックしたところ見つかりました』


 …やっぱりアタックしたんだ。自分は日本人であり今は日本にいるので深く触れないでおこう。知らぬが仏。


『複数の機関や企業の技術情報を合わせれば可能だと思います。ただ電力やサーバー、通信などのインフラとコストが問題になりますので、今すぐには難しいと思います』


「いや、技術的に可能だと分かっただけで十分だよ。2人ともありがとう。地球では既に一般人が知る範囲で高速通信インフラの整備と自動運転化の話が出ているから、もしかしたら可能かなと思ってはいたが…これで複数の課題が解決出来そうだ。人材と工期の短縮などの問題が。自我を持ったヒューマノイドと様々な種族の人類が共存する国を作りたいと思っているから。可能だと分かっただけで十分に助かる」


 国造りをする際には最初から地球の最先端の技術でインフラの整備などをしていく予定だ。

 もちろん教育は基礎技術からすべきだと思う。基礎がしっかりしていなければ応用など出来ないと考えている。

 しかしだからといって国造りを例えばポケベルから始めるようなそんな非効率的な事はしたくない。

 その為に創造神様は地球から僕を呼んだのだと解釈している。

 今の予定では首都は後回し。まずは学園都市をつくり各国から人を呼び教育をし発展させていくつもりだ。

 文明レベルや識字率の低い世界だ。だから尚更教育は大事だと思う。


「エイドにお願いがあるんだけど1億円分の札束をアイテムボックスに入れてもらえるかな?明日、話をする上で必要になると思うから」


『分かりました!すぐに用意します!』


 そんなに急がなくても良いんだけど…まぁ良いか。さてと僕はアタッシュケースを買いに行って来よう。

 その後はファミレスで夕飯を食べて家で動画配信サイトで動画を観て風呂に入って寝る。

 久しぶりにネットが出来るぞぉ!ヤッホー最高だ!あぁ、明日が楽しみだ。



 今はアタッシュケースを買いに行った翌日の12時50分。事務所の近くに来ている。

 昨夜は楽しみすぎて中々寝付けなかった。

 幸い「精神的苦痛耐性上昇の指輪」の効果で緊張せず心は落ち着いているが。

 というか指輪って地球でも効果があるんだね。新しい発見だ。

 …後、この指輪は「楽しみ」というプラスの効果には働かないんだね。当たり前か。


 ちなみに今の日本の季節は冬。

 服装はジーパンにライブTシャツにライブパーカーというスタイルだ。

 最初はスーツで来ることを考えた。

 しかし、このTシャツとパーカーは普段遣い出来るデザインだし、こちらの方が好感度が高いかなと判断した。

 さて、12時55分になったから事務所の中に入ろう。少し緊張する。指輪の効果で少しの緊張で済んで良かったよ。


「失礼致します。私、昨日メールでご連絡させていただいた、小鳥遊光一と申します」


「はい。伺っております。会議室にご案内致しますね。担当の者を呼びますので会議室で少々お待ちください」


 会議室で数分待つと担当の方がいらっしゃった。



「大変お待たせ致しました。私、ハロライブのマネージャー佐藤英子さとうえいこと申します。本日はよろしくお願い致します」


「はい、私、小鳥遊光一たかなしこういちと申します。こちらこそよろしくお願い致します」


「今、パソコンを立ち上げてモニターに映しますね。少々お待ちください」


 おぉ!ついに直接会話出来る!!


「準備が出来ました。もしもし~」


「はーい、聞こえておりますよー。私、白野吹雪しろのふぶきと申します。よろしくお願いします」


「はい私、夏野祭なつのまつりと申します。本日はよろしくお願い致します!」


 おー!当たり前だけどモニターでアバターが動いている。


「私、小鳥遊光一と申します。本日はお忙しい中ありがとうございます。よろしくお願い致します。早速ですが案件についてご説明する前に自己紹介しますと…私、異世界で国王をやっているんですね」


「「「はい?」」」


「今、証明しますね。空間魔法で花束を取り出します…ほら」


 そう、昨日アタッシュケースを買いに行った時に花束も買っていたのである。


「「「………」」」」


 まぁそんな反応になるよね。分かるよ。自分が逆の立場だったらそう簡単に信じられないもん。

 次にアタッシュケースをアイテムボックスから取り出して中身を見せる。


「こ、ここに一億円あります。手品師でもマジシャンでもなく異世界の王だと信じてもらえましたかね?」


 いや、魔法使いという意味ではマジシャンなんだけど細かい事は気にしてはいけない。


「「「な、なるほど」」」


 息ピッタリだなぁ。まぁその反応も理解できる。仕方ないよね。


「あっ大丈夫ですよ。信じます。うちの事務所ドラゴンに壊されたり宇宙に行ったり、魔界出身のタレントがいたりと色々とあるので」


 佐藤さんそれは…あ、そういえばそうだったな(ぉぃ


「そ、それで案件についてなんですが、私の国の国営放送と異世界のインターネットでハロライブさんの動画を使わせてもらえないかなという案件が1つ目」


「2つ目はその御礼と言ってはなんですが、30階建てのタワーマンションを建てますので、ハロライブのタレントさんにそこに住んでいただけたらどうかなというお話です。管理費として3万円程いただきますがそれ以外は特に金銭を要求しませんし、女性警備員複数人を24時間365日常駐させるのと、最上階をラウンジにします。ラウンジには無料の自動販売機も用意しますし、自動販売機のラインナップはご希望いただければ変更可能です。建設に当たり部屋に必要な設備…例えば防音室などのご要望がありましたらそのように設計させていただきます。ご要望による追加工事費などは特にご心配要りません。いくらでもどのような要望でも可能な限り対応させていただきます。それから事務所などへの移動も常駐する女性警備員が運転してご案内致します。これらはもちろん無料です」


 ここまで何とか噛まずに言えた。

 ちなみになんで30階なのかと言うと確かマンションの高さが100m以上になると、消防法で緊急用のヘリポートの設置が義務付けられると聞いたことがあるからだ。

 ワンフロアの高さが3mとすると3かける30で90mだからセーフ。



「ただし条件としては私も家族と最上階の1つ下のフロアに住みますので男子禁制とは出来ません。もちろんハロライブのタレントさんのご家族が入居することも可能です。その際は同じ部屋でも別の部屋でもどちらでも構いません。部屋毎に管理費をいただく以外は特に追加で費用を払っていただく事はないです。家賃や部屋の購入がない以外は普通のマンションと同じだとお考えいただければ幸いです。あ、ちなみに何らかの理由で引退したからと言って追い出すとかはしないのでそこはご安心ください…いかがでしょうか?」


「マネージャーとしては前者の案件は社長に確認が必要ですが大丈夫だと思います。後者は会社としては所属タレントの福利厚生という面で良いのではないかと私個人としては思います。こちらも社長にお伝えしておきます」


「あの、白野から1点質問なんですが、なぜ今回、私と夏野が呼ばれたのでしょうか」


「そうですね…こういうと失礼かもしれませんが、これまでお二人の活動を一視聴者として観させていただいてきて、ハロライブのタレントさんの中でお二人は外交官のような立場だなと感じたので、後者の案件についてご意見をいただけたらとお呼びしました」


「なるほど…私は良いお話だと思います」


「まつりとしても良いお話だと思いますが、要望などを含めハロライブのメンバーに確認してみます。…いつまでに要望をまとめなければいけないとか期限ってありますか?」


「いえ、特に期限はありません。いつまでもお待ちしますよ。他にご質問等はないでしょうか?…大丈夫そうですね。本日はありがとうございました」


「「「こちらこそありがとうございました」」」


「それでは小鳥遊さん外までご案内しますね」


 佐藤さんの案内で外まで出た。


「改めて本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」


「いえ、こちらの方こそ良いお話をありがとうございました。それでは失礼致します」



 とりあえずこれで地球でやることも終わったかな?

 異世界で活動している内に必要な資金も給与として振り込まれていくだろう。

 よーし!これから異世界で建国に向けて本格的に動いていくぞ!

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