11 ダンジョン探索 2
(ピピピピピピピピ)
目覚まし時計の音で目が覚めた。現在の地球の時刻は朝の7時。
ゆっくり休むことが出来てとても爽やかないい気分だ。
ちなみに昨日、地球に帰ってきた時刻は20時頃。
夕飯は冷蔵庫に卵とハムがあったのでハムエッグを作りご飯を炊いて食べた。
作ったものは簡単な物ではあるがやっぱり食事は地球のものが美味しい。
異世界は調味料が少ない上に高価だから仕方ないんだけどね。
これからは出来るだけ宿に泊まらずに自宅に帰ってこようかな。
地球では一人暮らしだから食っちゃ寝生活をしているように見えても文句を言う人は誰もいないからね。
何しろ第三者から見たら僕はご飯を食べ風呂に入っては寝る、起きたと思ったらご飯を食べ風呂に入って寝る…を繰り返しているように見えるよね。
今日ほど一人暮らしで良かったと思った日はない気がする。
『おはようございます。マスター』
「おはよう、ナビィ」
『意見具申すみません。マスターのお考えは理解出来ますが、それはあまりお勧め出来ません』
「ナビィ、意見具申とか言わずにドンドン意見を言ってもらいたいな。その理由はなんでかな?」
『マスターは向こうの世界では老化しません。しかし地球では老化すること。また、給与は向こうの世界の1ヶ月毎だということをお忘れではないでしょうか?』
「あぁ…なるほど確かに忘れていたわ」
『はい。もちろん地球での何らかの理由で地球の時間を進めたい場合は良い案だと思いますが、現状はそのような理由は特にありませんので控えた方が得策かと思います』
「分かった。助言してくれてありがとう。今後も何かあったらよろしくね」
さて朝ごはんは食パンに苺ジャムを塗って食べた。やっぱり美味い。
あそっか。食材を買いだめしてアイテムボックスに入れておけば良いんだ。
調味料とか色々な食材を買ってこよう。あ…今更だけど地球のモノを大量に異世界に持って行って良いのかな?
「ナビィ、念の為の質問なんだけど地球のモノを大量に異世界に持っていくのって問題ない?」
『売買や輸出入となると問題になりますが、個人で消費する分であれば問題ないです。ですので1ヶ月分の携行食や非常食などを買い込んだ際にも特に指摘しませんでした』
「そうだよね。ありがとう!そんじゃちょっと買い物に行ってくる」
買い物から帰ってきて少し休憩してから異世界に戻った。
次の階層はどんな感じか非常に楽しみだ。
0年12月29日
異世界に戻り念の為に現在の時刻を確認すると21時半頃。当たり前だが地球に戻った時刻と同じ時刻であることを確認。
地球に戻る前は疲れていたこともあり、あまり周囲の確認が出来ていなかったが見回して見ると階段の横にエレベーターがあった。
なるほど、このエレベーターで地上に戻れるんだな。
僕は引き続きダンジョン攻略を進めるため階段を降りていった。
降りた先は1階層目と同じ感じだ。上り階段があるから2階層目だと分かるが、その他の見た目は変わらない。
ダンジョン系のよくあるゲームでは階層ごとに魔物が変わったりするが…ここも変わるのかな?
今度は右側の通路を進んでみる。こっちが正解だと良いんだけどな。
残念ながら行き止まりだったようだが魔物と遭遇した。
魔物がいることはレーダーで分かっていたが…行き止まりかぁ。
闘牛のような魔物だ。鑑定してみるとビッグブルという名前の魔物らしい。
やはりというか闘牛のように突っ込んできた。
氷の弾丸を念の為に頭に2発、撃ち込んでビッグブルの進路から避けた。
危なかった。さっきまで僕がいた場所まで突っ込んできてから光の粒になって消えた。
ビッグブルのいた場所にはDランクの魔石と大きな葉で包まれたハラミがドロップした。
焼き肉にして食べたいなと思いながらいつものようにアイテムボックスに収納。
来た道を戻り今度は左の通路を進んだ。
しばらく歩くと進んだ先にマップに赤丸がびっしりと正方形に表示されておりハズレの可能性が高いなと思った。
いや、これどうみてもモンスターハウスだよなぁ。いや、モンスターハウス自体は経験値を稼げるから良いんだが、中に何がいるかが問題だ。
「ナビィ、この先にモンスターハウスがあると思うんだけど何がいるか分かるかな?」
『魔物は全てラピッドラビットです。頭に角がある俊敏な兎です』
あー動きが素早い兎だからラピッドラビットなのね。
どうやって倒そうかな。部屋全体に電気ショックで麻痺させて兎の動きを止めるか。
その後、レーダーで動いている兎がいないことを確認して突入。うん、これで行こう。
ドアをそっと開けて……(バチンッ)よし!動いている兎はいないな。
ドアを開けて中に入ると行き止まりだが奥に宝箱が置いてある。
ミミックの可能性もあるが…レーダーに反応がないから大丈夫だろう。
「ナ、ナビィさん…宝箱を開けると爆発したり何らかのトラップがあったりしないよね?」
『マスター、石橋を叩いて渡る精神は長生きする上でとても大切だと思いますが、宝箱に罠はありませんよ。ただしミミックは存在します』
「ありがとう。ゲームと違って残機はないからね。トラップがないことの確認が出来て良かったよ」
それでは周りで痺れて転がっている兎が復活する前に宝箱を開けますか!
宝箱を開けたところ指輪が入っていた。鑑定してみると幸運の指輪らしい。
詳細の確認は後回しでドアに戻り、1階層目と同様に手榴弾のように爆発する火の玉を投げ入れて扉を閉めよう。
「いくぞー、3、2、1…投下ッ!!」(ドッゴーン
『ラピッドラビットを192体倒しました。経験値4,800を取得しました。Lv23になりました』
おぉ!レベルが5も上がった!さてまずはドロップアイテムを自動収納!
今回は今、自動収納したアイテムだけのリストを目の前に表示させよう。
【アイテムボックス】
Dランクの魔石192個、兎の毛皮96枚、兎の肉35個
おー思ったよりも多いな。
さて次はこれまでに入手したアイテムを鑑定してみよう。
【ハラミ】
ハラミ100g。焼き肉の定番。ビッグブルから入手しやすい。
ビッグブルからは他にもカルビや特上カルビ(ザブトン)が入手出来る。
【兎の毛皮】
衣類の材料として使われる。
【兎の肉】
兎の肉100g。鍋にすると美味しい。
レアドロップアイテム。
それから現在のステータスを確認する。
【名 前】コウイチ・タカナシ
【年 齢】20
【職 業】冒険者
【レベル】23
【体 力】12,000/12,000
【魔 力】120,000/120,000
【攻撃力】230
【耐久力】300
【素早さ】230
【知 力】1,200
【幸 運】300
【S P】100
【経験値】311/1,200
【称 号】神の使徒、異世界から来た者
【加 護】創造神の加護
【権 限】9
SPはどうしようかな。耐久力に全振りかな。
【耐久力】300→400
よし!これで準備完了!一度、階段部屋まで戻って正面の通路を進んで行くか。





