09 はじめてのダンジョン
あけましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願い致します。
0年12月29日
光が消えると薄暗い大体5メートル四方の正方形に近い小部屋に出た。
壁と天井を見ると石材で作られている。
背後を見るとエレベーターがある。ここが出入り口ということだろう。
ダンジョンはパーティ毎に作られる…いわゆるインスタンスダンジョンなので危機に陥っても助けに来てもらえないというデメリットはあるが、僕にとっては何をしても誰にも見られないなどのメリットの方が大きい。
「ナビィ、念の為の確認なんだけどトラップはないよね?」
『モンスターハウスはありますが、それ以外は特にトラップはありません』
「後、ヘッドアップディスプレイの変更とか可能かな?例えばキルログの表示とかしたいんだけど」
『普通の人は出来ませんがマスターは権限レベル9なので可能です。権限レベルで言えば下級神と同格ですから。とは言え平時、つまり第一級非常事態宣言が発令されていない状況では一部の権限しか認められていません。…少し脱線しましたが、HUDの編集でしたね?それでしたら【コマンド入力 HUDカスタマイズ】で後はイメージすれば出来ると思います』
「…なるほど了解した。【コマンド入力 HUDカスタマイズ】」
ログウィンドウを左下に表示して、表示するログはキルログと取得経験値、レベルアップ。その隣の真中にHPやMP、経験値バーを表示、マップは引き続き右上に表示でとりあえず完了かな。
「よし出来た!そういえば創造神様しか会った事がないんだけど他の神様は普段何をしているの?」
『かんk…ゲフンゲフン、地球に視察に行っています』
「今、観光って言おうとしたよね!絶対そうだよね!…この世界、大丈夫か心配になってきたわ」
『天使と精霊とBOTみたいなものがいるので特に問題ありません…天使が権限レベル8で精霊が7です。BOTは例えば冒険者ギルドカードの発行とかそういうものを自動化している感じですね……そういう単純作業を手動でやっていたらパンクしますから。…この世界、かなりの年月、文明とか色々と停滞しているので神々もすることがそんなにないんですよ…娯楽もないですし』
「まぁ創造神様が地球から僕を呼んだ理由もそれだしなぁ…さて気を取り直してとりあえず準備できたしそろそろ行こう」
小部屋からは3方向に道が分かれている。通路と小部屋で構成されている迷宮タイプのダンジョンのようだ。
初回は出来るだけ最短で階段部屋を見つけて次の階層に進んでいき最下層でボスを倒したい。とは言え経験値も稼ぎたい。
マップを見ると赤丸がびっしりと正方形に表示されている場所がある。正面の通路を進んだ先だ。うん、どう見てもモンスターハウスです。本当にありがとうございました。
「ナビィ、マップを見ると正面の通路を進んだ先にモンスターハウスがあると思うんだけど、何がいるかと火の魔法を使うと酸素濃度が下がったり、爆発でダンジョンが壊れたりしないか教えて?」
『魔物は全てスライムですね。火の魔法を使うことで酸素濃度が下がったり爆発で壊れたりすることはないのでご安心ください』
「了解!そんじゃ倒しに行こう」
ここは爆発系の魔法が効率良いだろうな。手榴弾のように爆発する火の玉を扉を開けたら投げて閉める作戦で行こう。
そっと歩いて移動し扉の前まで来た。321で投げよう
「よし、3、2、1…投下ッ!!」(ドッゴーン
あれ…予想以上にでかい音がしたんだけど魔力込めすぎたかな?
『スライムを256体倒しました。経験値4,096を取得しました。Lv13になりました』
うわっ256体もいたのか!というかレベル上がりすぎでは!?
あぁそう言えば創造神様にレベルアップしやすくしてもらったんだったな。
…良かったレベルアップ音を設定しなくて。連続で鳴り続けるところだったよ。
さてマップを見ると赤い光点が消えているからもう安全だな。部屋に入ってみよう。
おおっ!ドロップアイテムが結構ある。一つ一つ回収するのは面倒だから全てアイテムボックスに収納する。
アイテムボックスの手に触れずに自動格納出来る機能は本当に便利だな。
今回はアイテムのリストを目の前に表示させてみよう。
【アイテムボックス】
この世界に来る前に着ていたスーツ、短刀、モーニングコート、燕尾服
小銅貨10枚、銅貨10枚、小銀貨13枚、銀貨7枚、小金貨9枚、金貨10枚
寝袋…(省略)
Eランクの魔石256個、薬草128枚、スライムゼリー64個
魔石は良いとして薬草とスライムゼリーは初めて見る。鑑定してみよう。
【薬草】
体力を少しだけ回復する。また、風邪薬としても使える。
ポーションの材料としても使われる。
【スライムゼリー】
レアドロップアイテム。一応食用可能。
食べるとライムのような酸っぱい味で、ぬるぬるとしたスライムの食感。
何かの素材として使えるかもしれない。
う~ん、魔石と薬草は売っても良いけどスライムゼリーは売らないでおこう。
レアドロップアイテムとは言え値段は高くないだろうし何かに使えるかもしれないからね。
さてさて、次はステータスの確認をしますか。
【名 前】コウイチ・タカナシ
【年 齢】20
【職 業】冒険者
【レベル】13
【体 力】7,000/7,000
【魔 力】70,000/70,000
【攻撃力】130
【耐久力】130
【素早さ】130
【知 力】700
【幸 運】90
【S P】180
【経験値】46/700
【称 号】神の使徒、異世界から来た者
【加 護】創造神の加護
【権 限】9
体力と魔力がかなり上がっているな。
あれ?幸運はこれまでレベルが上がる毎にプラス5されていたのに今回は85から90にしか上がっていない…?
なんでだ?いや、考えてみるとレベルが上ったからと幸運も上がるというのもおかしな話だな。
これまでのレベルアップの傾向から考えられるのは、幸運はレベル5までしか上がらないのかもしれない。
SPは今回も幸運に全振りで行こう。
【幸 運】90→270
この部屋は行き止まりだから来た道を戻るとしよう。さーてこの調子でガンガンレベルアップしていくぞ!
正月休みも終わり更新間隔はマイペースで3日以内に1話を目標に頑張ります。
ブックマーク登録や評価ポイントを入れていただいた方ありがとうございます。
励みになりますのでブックマーク登録と評価ポイントをよろしくお願い致します。
………いや、ホント早く建国して内政とか外交とか色々したい。





