スキルについて
【基礎事項】
スキルは、術者が持つマナを魔法を介さずに放出させて発動させる。
特に意識せず放出した場合は、マナの持つ属性の効果がそのままに発現。
例えば火属性を含むなら発火し、風属性を含むなら風が起こる。
また、作用の大きさは放出するマナの量や密度、属性傾向に左右される。
以上がスキルの基礎だが、放出の方法を工夫する事で様々な応用が可能となる。
以下にそれを列挙する。
【エルゲージ】
方向性を持ってマナを放出し、それを固定させる事でマナの刃物を作るスキル。
elg(エネルギーの単位)+ edge(刃物)が訛って変化し、エルゲージと呼ばれるようになった。
応用スキルの中で、最も初歩的な技能である。
込めるマナの属性によって性質が変化し、無属性のマナを込めるとより重く頑強になるが、自然属性のマナを多く込めるとその属性の特徴が濃くなる。
また、エルゲージは術者の技量さえあれば、幾らでも自由に形造る事が可能。
熟練者は既に固形化させたエルゲージすら自在に変化させる為、白兵戦においてエルゲージの練度は非常に大きな勝敗要因となる。
中には、糸状にして切断に用いる者、疑似的な身体のように用いる者も居る。
【共鳴術】
既存のモノのマナと術者のマナを同調させ、既存のモノを操るスキル。
やや高いマナの操作力が求められる。
共鳴術を駆使すれば、術者のマナ使用量を抑えつつ大きな効果を得る事が可能。
ただし、その場に術者の属性にあったモノが無ければ使えず、かつ常に同じ量のモノが存在するとは限らない為、安定的な効果を得るのは難しい。
亜人が共鳴術に長けているのは、彼らが自然にあるマナから生まれる為である。
【テリトリー】
マナを地面等に流し、マナのフィールドを作るスキル。
エルゲージと違ってマナを固形化させる事は出来ず、一方で地面にマナを流したままだとすぐに発散してしまう為、テリトリーを展開させるには体内と体外のマナを常に流動させる必要がある。
その為、かなり高いマナの操作力を要する。
利用方法としては、マナ的な反応の探知や魔法陣の破壊などが挙げられる。
【マーキング】
テリトリーの中に魔法陣を描くスキル。
テリトリーを維持しつつ一部のマナ濃度を変える必要があり、相当のマナ操作力を要する。
術者とは離れた位置で魔法が発動できる為、不意打ちや集中攻撃が容易になる。
【転化術】
第Ⅲ類禁術<フォーミュレーション>の別称。
術者の身体を自身の自然属性と一致するモノに変化させ、活動する魔法。
周囲のモノと同化しながらも、身体を変化させて出来たモノを手放してはいけない為、極めて高いマナ操作力を要求される。
故に、半ばスキルとして認識されている。
スキルの到達点の一つで、使用できる者は異世界でもごく僅かしか居ない。
また、マナ体となっている間は寿命の概念が無くなる為、永続的に発動する事が出来れば実質的な不老不死となる。
逆に、身体を変化させて出来たモノの管理に失敗すると、そのまま自然の一部となって絶命する。
【エルゲージと魔法陣の組み合わせ】
上記のスキル以外にも、エルゲージにマナを十分に貯め、その表面に魔法陣を刻む事で、魔法を発動させる事が出来る。
例えば、<エクスプロージョン>の魔法陣を刻んだエルゲージを投擲する事で、手榴弾のような使い方が可能となる。