ニートからの旅立ち【一話】
この世界はどうしてこんなにも理不尽なのか。
勉強、運動、恋愛、何もかもが上手くいかない。
誰かが「人間には必ず何か一つは取り柄がある」と言っていたががあれは嘘だろう。
ソースは俺、勉強も運動も中の下、恋愛に関しては友達すらいないのでできるはずがない。
親にも教師にも見捨てられ自分が話せるのはネットの中だけ。
最後に人と話したのはいつだろう、いつからニートになったんだろう。
…まぁ、考えても仕方ないかな
俺はいつものように2chで他人を煽り、親の稼いだ金で菓子を食う。
カタカタカタカタ……タンッ
「世界を滅ぼす方法 自分だけ助かる」
俺はニヤニヤしながら検索する。
しかし、俺の顔は一瞬にして焦りと困惑に変わった。
「え…?ウソだろ……なんで?」
そこに映し出されたのはいつもの検索結果ではなく真っ黒な画面に赤いボタンが一つ、それに説明文があった。
「この赤いボタンを押すと爆弾が落ちて地球が滅んじゃいまーす☆
でも君だけは特別に僕の世界に招待しちゃうよ!
よく考えてから押してね!
P.S.自分だけ助かるってクズだねw
P.S.のP.S.口臭いから歯を磨いてきてね!
神様より」
なんかムカつく。
それに余計なお世話である。
俺はちょっとした仕返しに歯を磨かないでボタンを押してやった。