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噛じれメロン

作者: 山狩楚歌

このメロン事件は大学生の時の実体験を走れメロスの一部に乗せて成仏させようと考えました。

笑ってくれる事が何よりの僕の黒歴史の成仏となると思います。

笑ってくれなかったら今後墓まで持ってばあちゃんに見上げ話を行くことにします。


P.S.あんなにシャリシャリした味の無いメロンを食ったのはあの時人生2度目だよ俺…

メロンと激闘した。必ず、かの真ん中の筋と種を取り除き食べなければならぬと決意した。


メロンは切り分けておらぬ。メロンは冷凍庫の中である。


去年ビンゴ大会で当てて冷やしては、寝過ごしなぁなぁと忘れられてきた。


けれども金が尽きてとうとうこいつまでに手が出そうであった。


今日未明、夕食にありつけずに42円を眺めては緑の夕張の事が脳裏をよぎり、冷凍庫の前までやってきた。


メロンの処分は、金もないのにもったいない。彼女も居ない童貞である。童貞ではない!


12時の白飯で癒されたが、もう空いた。このご飯も冷凍のモノだった。


この冷凍庫は白飯で占領されている。メロンがいる場所にはいつか肉が入る場所だと考えてきた。


今は金が無いためメロンが入っている。多分今月中には金が入る。


袋に詰められた細切れの肉が来るのが楽しみである。


眺めているうちに、メロンの色形がおかしいのに気づいた。

ヘタが黒ずんでいる。もうすでに取り出してちゃぶ台に乗せては、

段々と霜が解けて黒ずみが鮮明に映し出される。空腹の俺も、段々と不安になってきた。


メロンを両手で揺さぶると手が凍る様に冷たくなる。


まだか……


包丁を持ってきた。僕は回りを削ぎ落とす様に僅かに切り込みを入れた。入れられなかった。


「これでは僕は死んでしまいます。なぜ、開かぬのだ。」


メロンは激怒しない。常に冷ややかな目で僕を侮辱する。


包丁でぶっ刺すか。叩き割るか。レンジでチンか。解凍を待つか。


拳で6発殴るか…パンパン…パンパン…パン…パン


メロンと激闘した。呆れた打撲だ。メロンで打撲を冷やす。


メロンは凍っていた。台所に持って行っては水を冷やす。


メロンを食べられるから幸せじゃないか!と自分を納得させる。


黙れ、無銭者!僕はさっと拳を上げて報いた。メロンで拳を冷やす。


腹はいくら空けども鳴る。お前の腹ワタを透いてみたくしょうがない。今度こそは包丁が入って食えても知らぬぞ?


ああ、こうやって凍って萎びていればよい。自分はちゃんと食べる支度で居るのに。皮に切り込みを入れれば-------ツルン!?


メロンを足元に転がしほこりに着替える。


「あ”””””ーーーー!!馬鹿なっ!!」


上の階がしばらく、地団駄踏み天井を虐める。ふと我に帰り冷静になった。


冷凍庫の友、我とほこりは、深夜遅く、夕張を召した。

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