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転生チートってお約束じゃないの?  作者: ちょき
少年期
7/18

決意

(グリ村か… 久しぶりだな、)


自分は今、領内の視察に同行中だ。馬車の中には自分を含めて四人乗っていて外には騎士団長のライスと団員が10名いる。

馬車の中は自分の隣に領主ガイゼルの次男のカイ、正面にはセグメ その隣にはおばちゃんメイドのサリーがいる。


「たまにはこうして平和に領内を旅するのもいいな~。」

「そんなのんびりしてては困ります、お兄様。」

「そう言うなよセグメ、いつもの山賊退治ではこんなにのんびりしてられないからな。」


隣にいるカイがのんきにセグメと話している。この1ヶ月でカイとも仲良くなった、いつもふらふらして気分屋な性格で話やすい。そして剣を持たせると騎士団でも上位の腕前を持ち頭もいい、真面目で努力家の兄ロードルと正反対の性格で領内でも『本当の兄弟ではない。』と噂されるほど違う。

最近ではフラフラと勉強してるところや剣の鍛練の時に現れて一緒に鍛練したりしている。


そして今回の視察も順調だ、今までに二つの村を回りセグメの挨拶回りをして来た。

予定だと今日の夕方に最後の視察場所で自分の生まれたグリ村に入り、明日 村内を視察して明後日シュバルの町に帰るようになっている。


自分は二人の会話をよそに、窓から見える草原と奥に連なる山々をみてのんびりしていた。

しばらくすると景色は太い木々が生い茂る森へと変わった。


「きゃあああ!」


突然女性の叫び声が聞こえて馬車が止まる。


「どうした?」真剣な目でカイが外のライス団長に声を掛ける。


「カイ様、周囲に異変はありません。団員5名を連れて確認して参ります。」


「よろしく頼む。」


一通りのやり取りを終えるとライス団長は団員を連れ駆け出した。


「大丈夫でしょうか?」セグメは不安そうにカイをみている。


カイはセグメを見て少し微笑み「心配は要らない、ライスは優秀な騎士だ。たとえ山賊でも遅れは取らない。俺も外に出て警戒する。」

そう言って自分の方を見た。「ダインはセグメに付いててやっってくれ、頼んだぞ。」

そう言うと自分の剣を持ち馬車から出た。外ではカイが団員に何か指示する声が聞こえる。

自分は不安そうなセグメを見て、「カイ様や団長は頼もしいですね、心配は要りませんいざとなれば自分が守ります。」と言って。わざとらしく胸を叩いた。


「約束ですよ。」


セグメは真っ直ぐ自分を見ている。


「約束してください。ダインが私を守って下さい。」


力強い言葉だった。何かしらの決意がこもっている様に。


自分も決意を示す。


「約束します。何があっても自分がセグメ様を守ります。だから安心して下さい。」


「ありがとう…。」


セグメはそう言うといつもの様に微笑んだ。自分も心を落ち着けながらさっきの決意を心の中で確認した。

(セグメは自分が守る。)


少しすればライス団長が戻って来るだろう、そしてグリ村に行き休もう。大した事じゃない、きっと女性が蛇にでも咬まれたんだろう。グリ村では珍しい事じゃ無い。


そう思ってセグメに声を掛けようとしたら一瞬馬車が揺れた。


「敵襲だ! 戦闘態勢!」


カイの声が響いた。









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