虹色の魔石
読んで下さった皆さん ありがとうございます。
少し説明が長くなってしまって申し訳ありません。
長くなりそうなときは後書きで補足していきますのでご理解下さい。
自分は悩んでいる…
今の生活に不満がある訳では無い、むしろ充実している。
この屋敷に来て1週間が過ぎた。午前中のセグメとの勉強では相変わらずの天才評価をもらい、セグメからも尊敬の目で見られている気がするし 仲も良くなった。午後の剣の訓練はまだまだだが筋はいいと言われている。
しかしだ! 自分は只の村人、このままではこのシュバイン領の文官か研究者で一生働いて第2の人生終わってしまう。転生前の仕事はしがない営業、休みの日には父の農業を手伝う生活だった。自分には政治の駆け引きや高度な科学知識は無い。
(チートが必要だ! 絶対に!)
今日はガイゼル様達がダンジョンから帰ってくるそしたらお願いしてみよう。そうしよう。
そう考えていたら昼過ぎごろにガイゼル様達が帰ってきた。剣の訓練は途中で切り上げられ、町の広場で今回のダンジョン遠征の成果やロードルの活躍を称えたりした。
屋敷に帰ってきて早速ガイゼル様に相談に行くことにした。
「失礼します。」
ドアをノックして中に入ると溜まった書類に嫌そうなガイゼルがいた。
「ダインか… どうした?」
「お疲れのところ失礼します。先程の広場での演説凄かったです。自分の事の様に興奮しました。」
少し子供らしくヨイショしてみた… ちょっと照れる。だが効果は抜群だ。
「そうか、そうか!ダインもロードル位の年になれば連れて行ってやる頑張って励めよ!ハッハッハ!」
「それで一つお願いがあります。自分に魔道具を見せて貰えないでしょうか?お願いします。」そう言って頭を下げた。
「そうか…」ガイゼルは少し考えてから言葉を続けた。
「俺も子供の時は魔法に憧れたものだ、渡す訳にはいかないが宝物庫を見せてやろう! あとでライスに案内させよう。」
「ありがとうございます。」
(ヨシ!成功だ!)
何としてでもチートアイテムを見つけなければ!
そう思って挨拶して自分の部屋に戻ると少ししてノックされた。
「ライスだダイン君はいるか?」
「はい! 今行きます。」騎士団の団長のライスさんがきて宝物庫に案内してもらった。
「この中が魔道具を置いてある部屋だ、気になる道具を持って来るといい少し使わせてあげよう!」
自分が屋敷に来てすぐダンジョン遠征に行ってしまったのであまり面識は無いが、感じの良さそうな人だと思い部屋の中を見た、
中には剣や槍、盾、杖、腕輪等か置かれていた。
ライスさん曰く、遠征の時には1人につき1つ騎士団の人に貸し与えるらしい、そして剣の魔道具に火の魔石を入れると火の斬撃が出たりするらしい。腕輪は火の耐性が上がったり、力が上がったりする。同じ剣でも物によって効果が違く有名な聖剣や魔剣と呼ばれる剣は魔石が3つはめれたり強力な効果が有るとのことだった。他にも珍しい形『扇』や『袋』がある。
魔石も色々有り、火や風、力の魔石は手に入れやすく、雷は珍しいらしい、あと 特殊な力を持った魔石もあり鑑定や反射が有名らしい。
説明を一通り聞いて、1つ1つ丁寧に見て行くと壁に大事そうに飾られた腕輪が目に入った、しかも見慣れない虹色の魔石がついていた。
「この腕輪は何ですか?」
「これは非常に珍しい魔石なんだが、鑑定の力でも効果が分からず使ってみても何の効果も無い不思議な魔石なんだ。」
引き寄せられるように自分は虹色の魔石に手を伸ばす、まるで自分の為に有るような そんな不思議な感覚と共に…
後ろでライスさんが止めようと声を掛けながら止めに入ってくる。しかし 自分の方が早くその魔石に触れた、
その瞬間 魔石から光が溢れ不思議な声が聴こえてきた…
『力と自由を…』
補足 ダンジョンについて
この世界ではダンジョンを攻略しているのは基本的に各領の騎士団です、冒険者もいますが彼らは低階層で薬草や鉱石採取や騎士団が回収した物資の運搬や補給などしています。
あと、ダンジョンは余り大勢で一気に入ると難易度が上がるので普通10人~20人位で入ります。